VCE0095
「こんにちは、求道女さま」 「こんにちは、名無しちゃん…あ、その首」 「ふふ、なんだか外せなくて」 「いいことだわ。神さまも見てらっしゃるの、そういうところ」 「お救いになる?」 「なるわ、必ず。眞魚となって」
「今日はどうだった?」 「なんだか、白くかすんでいて…」 「霧かしら?朝は一際寒いものね」 「きらきらしてました」 「綺麗な景色だったんでしょうね…」 「求道女さまは、何をしていたのですか?」 「お祈りを捧げていたの」 「神さまも、同じ景色を見てらっしゃったのね」
「山から降りてきた霧も、天からおいでくださった神も同じ賜物よ。もしかしたら、そこにいらしたかも」 「いらっしゃった?」 「そう、そして…恩恵を授かったのよ」 「それって、どんな恩恵なんですか?」 「業を一つ、洗い流されていった…姿が見えたでしょう?」 「はい…」
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