忍たま | ナノ

▽ 1番にはもうなれない

※竹谷とモブがくっつく

あたしの1番はハチだし、ハチの1番もあたしだと思っていた。

「名前、俺、あいつと付き合う事になった!」
「そっか!おめでとう〜」


1番だと、思ってた。



「よお名前ー!元気かー!」
「うわっ!元気だよ〜」
「こら!八左ヱ門!名前ちゃんは女の子なんだから乱暴なことしないの!」
「すまんすまん」
「もー!わかってないでしょ!」
「お熱いねぇ〜」
「もー!からかわないでよ名前ちゃん!」
「ほら!飯食いに行こうぜ!」


あぁ、眩しい。ハチの笑顔はなによりも眩しくて、暖かくて、そんなハチの隣にいるのはあたしではなくポッと出の女。
ハチの一目惚れらしい。それじゃあ勝てる分けないよね、だからハチのそばにいる為にハチの1番ではなく、2人の1番になるしかなかった。
だけど、2人が仲睦まじく見つめ合うのを見るたびに、手を繋ぐのを見るたびに自分が惨めに見えてくる。

ろ組名物コンビの片割れには鼻で笑われた。

「そんなことして何になる」

そんなのあたしが1番分かってる。

1番、1番、1番1番1番1番1番1番いちばん




「名前っ!!」
「ぐっ、あ"っっ」

お腹を刺された。
出血も酷い。
こりゃあ助からないなぁ、
必死の形相でハチが肩をかしてその場を離れる。


「俺が帰ってくるまで耐えろよ、絶対死ぬな、俺お前にあいつとの祝言見届けももらいてえ」
「わかった、わかった、とりあえず頼んだ」
「任せろ、すぐ片付けてくる」


祝言、あげるのか…

「そっか、おめでとう」

ゴポリと口から溢れ出す赤。
お祝いは改めてできそうにないな。
いや、お祝いなんかしたくもないのだから好都合なのか?
そんなのも考えるのが面倒になりブルブルと震え出す体を他所にそのまま瞳を閉じた。

やや苦戦を強いられたが追手を無事撃退した八左ヱ門は名前を置いてきた場所まで全速力で走ってきたが肝心の彼女の姿はなく、血が転々と地面に跡をつけていて、それを視線で追うとそれは崖で途切れていた。

「嘘…だろ、?」


名前が忍術学園の門を跨ぐことは二度となかった。

さて、ここで問題です。あたしはその場で瞳を閉じたはずなのに何故崖まで血の跡が続いていたのでしょう。

「そりゃあ私が君を拾ったからだろう?」

木の影から最愛の男とそれを横取りした女の祝言を見守る1番になれなかったあたし。

「雑渡さんうるさい。」
「…戻らなくていいのかい?」
「戻っても1番にはなれないので」

もう1番になれないのなら君を思って離れた方が気が楽だ。
あーあ、名前ちゃんが竹谷八左ヱ門を想う事をやめました。
お前の所為だ。



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バームクーヘンエンドを目指したんだけど
支離滅裂で訳の分からない話になった。




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