忍たま | ナノ

▽ 暖

ほうとひとつき息を吐けばそれは白くなった。
「風邪ひくぞ」
「うひゃー!」
ペトリと背後から両頬を大きな手に包まれ
奇声が出る。
上を見上げるように背後にいる人物を見やれば恋仲の竹谷八左ヱ門
その手は冷たい外だと言うのに暖かく冷たくなった名前の頬を温めた。

「竹谷あったかぁいね〜」
「そーかよ」
「あけましておめでとう」
「おう」
ぶっきらぼうにかえってくる返事に心までも暖かくなる。
「今年もみんなと楽しく過ごせたら良いなぁ」
「なあ」
竹谷の手を頬から外しにぎにぎと握っていれば不意に声をかけられた。
「んー?」
「実家、挨拶いかねぇか?」


「い、行く」

「んだよ、その顔」


「だって、そりゃあ、びっくりするでしょう」
「冬休みで帰った時親が連れて来いってうるさくてよ」
「大丈夫かなぁ…」
「?どうかしたのか?」
「あたし要領悪いし緊張するとちゃんと話せないし竹谷のご両親にお眼鏡に叶うか…」

眉間にシワを寄せ悩んでいるとギュゥときつく抱きしめられくすくすと笑われた。


「馬鹿だなぁ、そんなところも含めて俺が好きなんだからいいんだよ」




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