忍たま | ナノ

▽ 竹谷に恋愛対象として見られない

五年生で仲良くいつも通りに夕食を食べ食堂を出ようとしたら入り口から軽い足音と共に誰かが入ってきた。
「あ!ハチ〜!」


「お、名前がこんな時間に飯なんて珍しいな」
「ちょっと実習で遅くなっちゃったの」
「そっか!しっかり食えよー」
「うん、気遣いありがとう」




「で?どうなんだ八左ヱ門」
食堂から長屋へ歩いている途中三郎がニヤニヤにと顔を歪めて聞いてきた
「どうって…?」
「苗字の事だよ好きなのか?」
「はぁ!?なんだそれ!?」
「なんだ、女として見ていないのか?」
「お、女としては見ている!!おっぱいがあるから!」
「中々にコイツ最低だぞ」
「恋愛対象としては…?」
「?あいつは幼なじみだぞ?今更恋愛対象になるかよ」
「そういうもんなの?」
「そうゆーもんだよ、あいつがガキの時からの付き合いだぜ?」
寝しょんべんしてた頃やおてんばだった事を覚えてる身としてはとてもとても…と続ければそれまでジッとこちらを見てなにも言わない雷蔵が口を開く

「じゃあ僕苗字さんに好きって伝えていい?」




「は?」


「なに今更驚いてるのさ、苗字さん結構モテるよ?」

「お前いつまでそうやって幼なじみという枠組みで優越感に浸っている」

「ま、待て待て待て!名前だぞ!?正気か!?」

「それ苗字さんにも僕にも失礼なんだけど、てかハチがてっきり苗字さんの事好きなのかと思ってたから遠慮してたんだけど違うならいいよね」



「だっ!!!ダメだ!!」



勢いで出た言葉に八左ヱ門本人も驚いたようで

「は?八左ヱ門お前それは…」
「好いてないくせに自分の物扱いか?」
「違う!いや、違くないのか?あー!とにかくダメだ!あんな本性はがさつで負けず嫌いなじゃじゃ馬」
「は、八左ヱ門、後ろ」
「あ?後ろに何が…」


「お話が白熱してたとはいえ気配に気づけないなんてまだまだね」

背後にいたのは今正に話の中心になっている名前で、当の本人ははいコレ食堂に忘れてたよと手拭いを八左ヱ門に渡す。


「お、おおおまお前、まさか今の」
「途中からだけどバッチリ聞かせていただきました。

そう言う話は部屋に戻ってからしなさいよね」

ドッと吹き出す冷や汗。
いや、聞かれて困る発言はしていない筈だ。
でも途中とはどこからだ?結構ズバズバ言った自覚はある。

「何がおっぱいあるから女としては見てるよ、あんたのお粗末な髪の毛毟り取ってやろうかしら」

「ほぼ最初からじゃねぇか!!!」


「わたし、それなりにね、可愛くなったと思ってたし頑張って女の子になっあつもりだったのにハチはやっぱり昔から一緒にいたやつとしか思ってないんだね」

グイッと襟元を引き寄せられ顔が近くなる。

「お、おいっ…!」
「覚悟しなさい、確実にオトしてあげるから」
「っ!どういう宣戦布告だよ…!」
「あら、顔赤いわよ?」
「うるせぇっ!」
「じゃあ五年生皆さん失礼するわね」

ヒラヒラと手を振り食堂に踵を返す名前をボーッと眺めているとそれまで固まっていたそれぞれが動く。

雷蔵は膝をつき「やっぱりかぁぁ」とため息を吐きそんな雷蔵を三郎と兵助が慰め
勘右衛門に関しては「八左ヱ門いいなぁ」とこぼすものだから睨めば笑われた。

「…てか、あいつ俺のこと好きなのか!?」

「「「「おい」」」」




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これ、道歩いてたら近くを歩いてた男子高校生
の集団が恋バナ的なのしてて
「女としては見てるよ!おっぱいがあるから!」
って言ってたのが聞こえてきてネタにさせていただきました( ˘ω˘ )
竹谷言いそうなセリフトップ10に入る。




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