忍たま | ナノ

▽ オブラートじゃなくて求肥に包んで発言して

※途中ちょっと下品

「お前なんて大嫌いだっ!!!!」

いつもなら簡単に避けれるあいつの拳も
ボロボロと涙を零すその顔にビックリしてしまいまともに食う
その勢いで地面にへたり込む。
名前は私に構う事なく走り去る。


事の始まりは些細な事であった。


嫌いだと?どの口が言うんだ。

ぶつぶつと彼奴への文句を垂れていると雷蔵が呆れた顔をして向かってきた。
「三郎、しっかり謝るんだよ」
「謝るってなんだよ、私はただ…」
「自分でも悪いって思ってるでしょ?」
「…少しは」
「少しはじゃなくて三郎が悪いんだけどね」
「ぐっ…いや、でも私はそのままの体系ではプロのくのいちになるのは難しいだと言っただけだ」
「オブラートに包むとね!!君、さっきなんて言った!!」
「"おいデブ痩せろみっともない"」
「三郎、君に人の心はあるかい?」
「いだだだだだだだだ!!!!雷蔵!!!つねらないで!!」



「うぅ、あたしだって頑張って痩せようとしてるんだよ?」
「そうだよなぁ〜名前がんばってるもんなぁ〜、これ、食べる?」
「勘ちゃんが甘やかすぅぅ!!」
「可愛い従姉妹がいれば甘やかすでしょう」
よしよしと頭を撫でてやるとふにゃんと顔を綻ばせる名前に和んでいると見知った気配を感じ悪戯を思いつく勘右衛門。

「…!そうだ!名前、今から俺が言う事を合図送ったらちょっと大きめな声で繰り返すんだよ?」
「うぇっ?うん??」
ごにょりと小声で伝えると意味がわかっていないのか名前は首を傾げる。
そんな事をしている内に気配はもうすぐそこだ。
「ほら、名前、コレ咥えて」
「む、無理だよ勘ちゃん、こんなにおっきいの」
「いけるってほらほら〜」
今だとウィンクをして合図を送ってくる。
「三郎のよりおっきぃもん、むrっんんん!」
勘右衛門が言えと言った言葉は途中で途切れ
口の中にひと口では口の中に入らない大きい大福を無理やり押し込められた。

スパーーーーン!!

「勘右衛門!!!貴様私の名前に何している!!」
雷蔵の顔からは想像できないほどの極悪の顔をして三郎が障子を開けた。
幻覚でその背後には般若が見える。

「あ、三郎早いじゃん」
「へ!?ひゃぶほう!?」
「は?」
予想していた光景と違い呆気にとられる三郎。ニヤニヤと笑う勘右衛門に騙されたと気づき苦い顔をする。
「おい、名前」
「な、なに…」
次はどんな暴言が三郎から飛び出るのか身構える
「さっきはすまなかったな、」
「え?」
「ダイエットすると言ってる割には偉く間食するもんだからつい強く言ってしまった」


「ダイエット手伝ってやる」

「三郎…!!!」

「良かったなー!名前!あの三郎が謝ったぞ!!」
「うん!大福おいしー!」
「あーはいはい、それはよかったな!!」
居心地が悪いが勘右衛門と2人きりにさせるわけには行かないので名前の横にドスンと腰を下ろす。
そんな様子をニコニコと見ていた勘右衛門が口を開く。
「三郎」
「なんだよ」
「俺ね、お前に名前盗られて悔しいんだ。だから今度泣かせたら容赦しないよ」
「…はぁ!?」
ニコニコと笑っていたのは表面だけのようだった。めちゃくちゃ怒ってる。
「名前、三郎に愛想尽きたら勘ちゃんがお嫁にもらってあげるからね〜」
「えー?」
「勘右衛門!!」
厄介ごとはまだまだ尽きそうにない。




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