噛み付かれるならどこがいい?(裏)








お題サイトDOGOD69様より





※裏












さいきんわかったことがある。

性行為をしているときの彼は、いつもよりぽややんとしているけれど、いつもより熱っぽい人になるってこと。


矛盾してるんだけれど。



何かこらえるように眉を寄せては私の首元や胸元に顔を埋め、痕を残してはいつもよりたくさん愛を囁く。


時折彼のくせ毛が首筋をなぞりくすぐったいのだけれども、それすらも気持ちよく思えてしまって、それに愛してるなんて聞こえてきて。



こんなにも熱っぽい人なんだなと感じるんだけれど、与えられる波に呑まれて、どんどんそんなことが考えられなくなっていくんだ。




溺れきっている、そんな気がした。





「燐・・・っ」


「あっ、んんっ」


「もっと鳴いて」


「ひぁっ、ああっ」


「可愛いよ、燐」




珠のような汗がおでこから流れて、押し寄せる快感に耐えられなくなって涙も溢れてくる。

きっと顔は汗とか涙とかでお化粧はぐしゃぐしゃになっているんだろう。

でも、そんなことを気にする余裕なんてのもなくって、ぐしゃぐしゃの顔を見られないように手で隠すので精一杯。



「だーめ」


「やっ、あうっ」


「ちゃんと私に顔を見せてごらん」


「ふうっ、んっ」



ぐいっと顔を隠してた腕は布団に縫い付けるように抑えられて、一気に視界が元に戻った。

私に乗っかっている元就さんは、それはそれは意地の悪そうな(私にはそう見える)笑みを浮かべていて、ぐしゃぐしゃの顔の私にこれでもかというくらい深く口付けをする。窒息しそうな口付けを深く、深く。


聞こえるのはくちゅりと唾液が混ざる音と、ぐちゃぐちゃとかき回される私のソコの音と、時々漏れる元就さんの吐息。



「あっ、いあ・・・っ」

「イヤ?こんなに溢れているのに?」

「あんんっ、いじわる」

「ふふ」



こんなにも愛されているのか、ちょっとだけ優越感に浸ってしまうときがある。

だって、ふだんはあんなぽややんとした人が実はこんなに情熱的だったなんて誰も知らないでしょう?私だけだもの。


なんて意地の悪い女。



「もっと深くしてもいい?」

「え、ああっ」

「・・・は、きついなあ」



膝を元就さんの肩に乗せて、もっと密着すると元就さんはもっと深く入ってきた。

その刺激に思わず力が入ると、元就さんは吐息を吐きながら眉をひそめる。

なんていうかとても官能的な仕草、男の人なのに。



「ねえ、わかる?」

「んんっ、ああ」

「ここがね、さっきよりもっと溢れてきているんだよ」

「やあっ、もうっ」


「愛しているよ、私の燐」


「―――っっう」



痛い、そう思ったときにはもう首筋は赤く染まっていた。

噛まれたのか、快感でぼやっとした頭で考えていると、元就さんが律動を早めてそれすらも考えられなくなっていく。頭が真っ白になっていくよう。




溺れている。




「燐・・・っ、ん」


「元就、さんっもっと」


「は・・・っ、あまり可愛いことを、言うものじゃないよ」





それから何度かちくり、と痛みが走ったけれど、それすら気にならないくらい、


いや、それすら快感に思うほどに行為に没頭した。


気が付けば、ぐったりと身体を布団に沈めていて、隣では元就さんが私の髪を梳いていた。





「すごい数」


「え?・・・あはは」


「元就さんってそのような御趣味がおありでしたのね」

「すみませんでした」


「冗談です、こんなに愛していただけて嬉しいですよ」


「・・・・・・」



「元就さん?」

「・・・困ったなあ」


「、きゃっ」

「もう一度、しようね」



「もうっ、あ」










赤い赤い、痛みは


愛のしるし





end


(今度はどこがいい?)

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