イベント2 とある少女の独言
月の光が草原を照らす。それでもなお辺りは薄暗く、足音だけが夜空に響く。
最前線よりわずか後ろ、長柄武器が槍ぶすまを作るその高い影に隠れるように、一人の少女が立っていた。
いつもの柔らかな年相応の表情は今はなく、月明かりにほの白く見える頬で、桃色の柄を握りしめる。
「僕は、守るために、戦うんだ」
軽く噛んでいた唇を開くと、口の中で何度も何度も、繰り返す。
なぜ前進しているのか。心の奥底で囁きかけてくる問いからは目を逸らすように。
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