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異次元の狙撃手18


「ここでいい!」

「はぁ!?お前らなぁ!」

「あのビルなら見えるはず!
ごめん陣平さん!待機で!」

車を飛び下り、ビルをかけ登る。
第一の狙撃点と第二の狙撃点の高さは同じ、模型は正確。第三、第四と繋ぎ、最後にベルツリータワーの第一展望台で五角形。

「…五角形じゃない。あと、サイコロの目、
第一狙撃点には4、第二狙撃点には3、第三狙撃点には2、第四狙撃点は5…残った1と6は第一展望台…」

「あぁ…!第一展望台を始点にサイコロの目の形に沿えば…星型…ハンターが奪われたシルバースター…初めからこれをウォルツさんに見せる為に!」

「…てことは…元々ベルツリータワーの第一展望台にサイコロの1が置いてあり、これから犯人が狙撃する場所も第一展望台…!居た!」

「見つけた!?」

「あぁ!ケビン吉野だぜ!」

「でも、どこを狙っているの…」

ここから見た星は少し歪んで見える。つまり、もっと綺麗な星が見える場所がある。
ふと見上げた横の工事中のビル。対面した窓に描かれた星。

「あそこだ!あそこにウォルツさんが!」

「私はベルツリータワーに向かうわ!新一、あと頼んだわよ」

「あぁ!今度こそ阻止してみせる!」

駆け下りて車へ向かう。

「っ陣平さん!ベルツリータワー向かって!」

「今度はノーストップでいいんだな?」

「飛ばして!」

了解、と返事を返し法定速度ぶっちぎってサイレンを鳴らして道を滑走する。


───────────────

数分もしないうちに到着したが、貸切、と言われて失念していたことを思い出す。
ベルツリータワーの時点で私の名で入れることは入れる。それに警察もいるし、と一瞬の交渉の末、中に入ってエレベーターへ駆ける。
入口で聞いたスタッフ用の速度の早いエレベーターで第一展望台に向かう。

「早く早く早くして…!」

「焦っても早くはつかねぇぞ落ち着け」

「っうん…」

「鎮痛剤、飲んどけよ
こうも高低差がありゃ痛む」

「ん、わかった」

赤井さんが出ているにしても、間に合わなければ終わり。そんなことは許されない。
チンッと軽い音を響かせて第一展望台には「あれ!?美織お姉さんだ!」「ほんとだ!」「園子ちゃん!」「お姉様!あれ、松田さんもじゃーん!」

やっぱり逃げてなかったか!

「早く逃げて!」

PRRRR....と私の声を遮るように携帯の着信音が響いた。どうやら蘭ちゃんらしい。

「もしもし…新一?」

「陣平さん!みんなをよろしく!」

「おい!お前はっ」

「私は平気!」

屋根に向かい、見れば何もいない。
血飛沫がよごしているだけだ。

「いない…「あぁ!? 」「おねえさぁん!」くっそ…!」

開いたままの扉から園子ちゃんの短い悲鳴と歩美ちゃんの泣き叫ぶ声。

「なんだお前!」「歩美ちゃんを返せ!」

「ガキは引っ込んでろ!」

後ろから回ってFBIの2人と合流する。

「っジョディ先生…!」

「Miss.Treasure!」

「っまぁいいや後ろから行くからちょっとだけ静かにしててください…私が注意を引く…!」

「待って!民間人にそんな危険なことさせられないわ!」

「!来るなぁ!」

足音と私たちの僅かな声に反応してこちらを振り返るケビン吉野。
さすがスナイパー。気配に敏感だ。

「誘導するしかない…」

今回こそ死ぬかもなぁ…ピリピリとわき腹が痛んで服に赤が滲む。
赤井さんは浅草スカイコート…

*

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