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人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける

「持ってきてもらった職員名簿だ」

バサッとナルが机に置いた。

「苗字はアテにならないだろうから名前が《み》から始まる人を探す」

「これ、今居る職員の分…?」

「念の為過去3年ほどは遡っている」

「…マジか」

「まぁ、名前だけならすぐにピックアップできるよ」

「はぁ〜…初めっかぁ〜」

「苗字の名簿順だから…あ行からさ行は私で…た行からは行はぼーさんね〜、残りリンよろしく」

「りょーかい」

「わかりました」

「僕はどうしましょ?」

「ジョンは読めない漢字があるかもしれないからね…」

「さいでっか…お役に立てんようで…」

「そんなことないから!」

「ってか卒業生の教職員ってのでピックアップできねぇの?」

「卒業したとは限らない。
あんな事件があったんだ。僕はそんな生徒の身内がその学校に通い続けるとは思えない。
それに、孤児だったのなら里子に出された可能性もある」

「なるほどな…」

「さっちゃっちゃとやっちゃいましょ!
相手がわかっても証拠はない。
だからこそ、君の頭脳が必要なのよ、コナンくん?」

「ぼ、僕子供だからわかんないなぁ〜」

「あらぁ、それは失礼。それじゃあ沖矢さん、引き続きお願いします」

「えぇ。任されました」

──────────────

とある施設の跡地。

「お姉ちゃん、ここはなくなったけど、まだこれは枯れてないよ」

お姉ちゃんはきっとまだ犯人を恨んでる。
きっと昔と同じ優しいままだけど

人はいさ 心も知らず
ふるさとは 花ぞ昔の
香ににほひける


無念に死んだ母と同じ

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