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神風や みもすそ川の そのかみに 契りしことの 末をたがふな

「それで、事件のことは解決できそうか?」

「なんともいえねぇな。
警察に落ち度があったようにも思えねぇし」

「そうか。
なら引き続き調査の方を頼む」

「あんたらの方は?」

「さぁ?特に進展があったように見えるか?」

挑発的に笑うナルに、コナンは苦笑した。

「いいや?
ポルターガイストねぇ、たしかにそれ自体は聞いたことあっけど…」

「詳しく知りたいのならばティザーヌの9項目を調べるといい。
ミステリーの大御所、Mr.クドウの自宅ならばありそうなものだ」

「そんなことまで…」

「Mr.クドウに関してはロンドンでも有名なんだ。知っていて当然だろう?
彼の書斎ならば一度は覗きたいと思う人間はこの世にごまんと居るが?」

「わぁったよ!ティザーヌの9項目ね…」

「フランスの警官が分類したポルターガイストの現象のことだな。
叩音等の騒音、ドアの開閉、物体の移動、爆撃等を9項目に分類した。
しかし、ポルターガイストは心霊的解釈と超心理学的解釈、それにいたずらという解釈など様々あるが…」

「ポルターガイストは霊が起こしてるだけではない
素人はポルターガイストが起こった、ラップ音がした、だから霊がいるんだ、と逆行的に解釈するが本来は逆だ。
ポルターガイストは人間が起こした場合もある。
その起こしたエージェントを見つける事が本来あるべき調査であり、解釈なんだ。
霊だと思われるエネルギー体が確かにポルターガイストを起こしただろうという例もあるし、僕もそれは確認している。超心理学的なポルターガイストはそれよりもさらに数多くが確認されている。
中にはいたずらという結果ももちろんある」

ナルが研究者として語る。
その姿は博士という名に遜色ない。

「…まぁ、個人的にはイタズラだって超心理学的なポルターガイストだって根本は人間に必ずある承認欲求や自己顕示欲の賜物だから変わらないと思うけれどね〜」

紅茶を一口飲み、葵が笑った。

「…力があるかないかの差であることは僕は言及しないが、ポルターガイストに付いてはこれまでだ。
もう特定することは不可能だが、図書室の事件は僕はポルターガイストの可能性も視野に入れている」

「…まぁ、それとなく調べておくさ
赤井さんとね」

「…ぼうやは全く…まぁ、乗り掛かった船だ」

「だろ?」

赤井はその一言に沖矢の顔で苦笑した。

「じゃあ、私達は戻るわ
see you〜」

「明日学校で待ってる」

「はいよ」

ばたりと閉められた扉に背を向け、四人はそれぞれ戦場へ歩き出した。


神風や みもすそ川の そのかみに 契りしことの 末をたがふな

出てきた彼女の姿を、一人の男が見ていた。
彼女との約束を脳裏に宿して。

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