拾った証を握りしめる
「おお、ちょうど良かった」
「あっれ阿笠博士?」
「君に頼まれてた電波遮断機能をつけたキーホルダーじゃよ
あとは、他には振動付きの防犯ブザーなどじゃよ」
「ありがとー! 助かるー!」
現在10歳。
昔頼んだものが完成したようだ。
まぁ手が空いた時にと頼んでいたから今になったのだろう。
これであの人たちは救える。
絶対に、亡くしはしない。
誰にも悲しませない。
私が苦しくても、苦しむのは私だけでいい。
「でもこんなもの何に使うんじゃ?」
「大切な人を守るの」
拾った証を握りしめる
人を守るのに、理由などない。
こんなことを言うようになるなんて、利己的な私のセリフとは思えないわね。
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