鮮血色のビターチョコ
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「はぁ!?」
シンッと静まっていたフロアに響く女性の声。
ガタリと荒々しく席を立ち近くのタバコをくわえ書類を見る上司にの机に手荷物書類を叩きつけた。
バンッ
「どうした」
「どうしたもこうしたもないですよ!!
なんすかこれ!
異動って!! しかもまぁた日本!」
目線を叩きつけられた書類に落とせば
「そういう事なんだろう」
「どうすればこんな辞令くるのさ!
赤井さんの差し金でしょ!?
なに!? そんなに私役に立ちませんか!?」
「まさか、俺はそこまで権限はないし、
お前は頼りにしてるさ」
「信用皆無なんですけど!」
「ホォー、お前は自分の直属の上司である俺を疑っているのか?」
「疑ってますけどォ!?」
「……はぁ……
貸せ。ここ、よく読んだか?」
「……あ、あれ?」
ヒクヒクと口端を引き攣らせる早苗に、赤井は深いため息をついた。
指を差されたのは辞令の書かれた書類の下部。
『最重要機密の任務とし、1年後より1年間日本での拠点の設備完成並び、1年以内の組織構成員の確保を命ずる』
つまり、1年後から先日までの継続任務を「1年間のみ」就くための異動、と言うより赴任である。
更には掴んだ情報により、1年後から組織構成員が日本にて動くため確保せよとの機密任務である。
「お前だから選ばれたんだ」
なるほど、と納得しかけたが
「いや、やっぱりおかしいですよね!?
いくら日本人だからって私じゃなくてもいいですよね!?」
「フッ……さぁな」
「キイイイイ!!!」
これでもエリートなはずなんだまぁた日本かよ!
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