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鮮血色のビターチョコ

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「あー!!! 流輝さん!?」

街中に響く少年の声。

「!? び、ビビったァ……
新一くんか」

突然偽名である流輝と呼ばれ、早苗が振り返ると日本にいた二年ほど前に親しくしていた中学生。
工藤新一。

「急に消えてどうしたのかと思ったぜ」

と、新一も驚いているようだ。


「ちょっと1年ほど旅行にねー」

「旅行?」

「アメリカよアメリカ。
まぁ、旅行ってより仕事なんだけどね」

「あぁ、経理だっけ」


思い出そうと上の方へ視線を向け言うが、早苗は事務であるということしか言っていない。


「そこまで言ったっけ? 事務よ事務。
アメリカの支社からお呼び出し貰ってね」

「へぇ〜」

なぜかまだ食い下がる彼を怪訝そうに見つめ、ため息を履き

「ほらほら受験生はさっさと帰ってお勉強なさい! 君中3でしょ?」

追い払おうと言うも

「どうせ帝丹だから勉強しなくても受かるっての」

腹の立つ回答を得られ、早苗の米神に青筋が浮かぶ。

「頭のいいやつは腹立つわねぇ〜!」

「褒め言葉として受け取っておきますよ」

恭しく頭を垂れる彼に


「探偵モード腹立つわ」


と眉間にシワを寄せその顔に著したのは、凡そ女性がするような表情でない。


「ハハッ
あ、アメリカっていやぁ母さん見てねぇか?」

「あのね、アメリカって言っても広いのよ?」

「いやちげえって
テレビだよテレビ! 今アメリカで活動してっから」

思い出したように言った新一に早苗が

「あー!! night baronissか!」

「あー、そう呼ばれてるんだっけ……」

「向こうの同僚がファンなのよ。
なんでも今は彼女の日本時代のビデオ集めてるらしいわ」

「かなりのガチファン……」

「で、流輝さん、やっぱり普通の事務じゃないよね。
事務だったらそんなところにタコ出来ないもんな」


目を細める彼女に新一も負けじと見つめ返す。


「なんのこと?」

「ソコ、銃を使ってないとつかない場所だよな」

ニッと勝ち誇ったように笑う彼。

「ならひとつ教えてあげるわ。
私が、もし銃を使うとして、それが仕事だったとしましょう。
そんな危険な人間に普通に近づき、正体を暴こうのするなんて

危険という言葉はご存知かしら?



好奇心は猫をも殺す。

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