鮮血色のビターチョコ
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久々の日本。
ビザは前の通り就業ビザ。
父の友人の意向で無報酬インターンという形で長期滞在を可能にしてくれたのだ。
と、まぁ表向きには難しい極秘捜査。
ジョディであれば教師として就業ビザを取得、赤井さんであればイギリス人であるがご家族が日本人だそうだし実質帰国じゃない?
え? 私じゃなくても良くない?
─────羽田空港
「はぁ、ったく……」
出口を出て日本の地に足をつける。
「早苗くん」
と、落ち着いた声が背後からかけられる。
「あ、桜沢さん」
父の友人、白髪まじりのナイスミドル。
「車はいつもの番号に、これがキーだ」
ポイッと軽く投げられたキーを受け取る。
「またすいませんね、2回も」
苦笑して手元のキーを弄ぶ。
──────
「いやいや、
君の父さん、どちらも僕の恩人だからね」
食えない笑みを見せ合い、傍から見れば仲良く話す親子のようにも見える事だろう。
「FBIに協力したってバレたら立場悪くなりません?」
「悪くなるねぇ
だが、それでも長年仕えてきたんだ。
これくらい大目に見てもらわないとねぇ」
「さっすが〜」
ケラケラと声を上げる彼女に倣い桜沢も小さく笑う。
警察庁警備局警備企画課 課長。
桜沢俊之。
国に仕え、一時は存在しない者として生き、玉座に座る警察庁の裏の長。
食えない男だ、と内心早苗は思う。
「君だって言うなれば不法入国みたいなもの。
僕と同じだ、汚い手を使うことに躊躇ない」
「あら? 何を言ってらっしゃるのかしら。
父に全てを押し付け、私から家族を奪ったアレを一掃する
どんな手を使っても
だって私の手は────」
もうとっくに汚れてる私の手も、貴方の手も、ずっとずっと昔に。
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