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思いつきの産物


::生かしたい五条と先輩(呪術)

目を覚ます。見慣れた白い天井をぼんやりと眺め、何をしていたんだったかと記憶を探る。ジンジンと痛む腕を目の高さまで持ち上げると、大袈裟な程に巻かれた包帯が見えた。微かにそこから薬品の臭いがする。そう言えば全身も痛い。深くため息をつくと同時、持ち上げていた腕を横から伸びた手に強く握られた。
「……死にそうな顔」
「何それ冗談?クソつまんないね」
目隠し越しでも分かる疲れきった顔、思わず出た言葉は地を這う様な低音で返された。硝子が治療してないと言うことは、私以上の重症者が他にも多数居るということだろう。腕を掴む力は一向に緩められないまま、痛いのは嫌だなぁとぼんやり考える。
「また死に損なったな」
無意識に口をついて出た言葉、瞬間ゴキリと音が。先輩の腕を折るとは、なんて生意気な後輩なんだろうか。
 

2021.01.05 (Tue) 01:53
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