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「扉ってなんの?」
「さぁ?」
一気に脱力感が襲ってきた。
なんの扉かも分からないのか。
「なんの扉かは誰も確かめたことないから分からないんだよー?」
そりゃ確かめてたらなんの扉かまで言うでしょうね。
「けど面白そうでしょー?」
「面白そう…とは言い難いかな…」
えーっ!と不満そうな声があがる。
私は君と違ってオカルトの類は興味ないの。
「陽菜は確かめに行かないわけ?」
ようやく復活したらしい恭平が陽菜に聞く。「行きたいのはやまやまなんだけどね」
「なんか問題あんの?」
「行きたいって言ったら怒られた」
「誰に?」
「吉沢このやろう」
「あぁ…れいちゃんか…」
そりゃ怒るでしょうよ。
仮にもあの人教師だから夜中に学校に忍び込むことを奨励しないと思うよ。
「なんて言われたの?」
「俺はそういうオカルトな話は信じてないし有り得ないから駄目って」
ほんと吉沢このやろうと呟く目が怖すぎる。
小さい子が見たら泣くぞそれ。
「せめて先生って呼んでやろうぜ」
突っ込むべきはそこじゃない馬鹿。
「はぁー…吉沢このやろう先生に言わなきゃ私が確かめに行くのに…」
そう言うとポケットから棒付き飴を取り出して口に入れた。
「…そんなに東のアリスってやつを確かめたいの?」
「当たり前じゃん!!」
突然大きな声を出すな。
「なんでそこまで…」
「まだ誰も確かめたことのないことを自分が確かめるのがいいんだよぉー!」
「んじゃあさー」
「…なによ?」
凄く嫌な予感がする。
自慢じゃないけどこの手の勘はよく当たる。

「俺と涼華で確かめに行く!!!」

あぁ、やっぱり。
予想通りの言葉に頭を抱える私の前で親友と幼なじみは凄く楽しそうに学校へ忍び込む計画を立てはじめた。