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幼なじみとは10年以上、親友とは7年くらいの付き合いで改めて再確認したことは
二人とも興奮し出すと人の話を聞かないことと突っ走る勢いが早すぎることでした。

「嫌だからね!私絶対行かないよ!!」
「お前が来ないとはじまんねーよぉ」
「そんなもの始まらなくていい!」
早いうちに確かめた方がいいね!という二人の言葉に嫌な予感を感じてSHRが終わったと同時に全力で走ったのだけれど、後少しで校門を出るというところで恭平に捕まった。
「だいたい私じゃなくても田中とか連れていけばいいじゃ、ない!」
「あいつヘタレだもん」
喋るたびに息が切れて苦しい。
恭平も四階から走ってきたのだろうけど、平気な顔してる上に息切れさえしてない。
私の体力がないのか恭平が化け物なのか分からない。「な?頼むよー」
「だから!!」
「チーズケーキ買ってやるから!」
「……」
「はい、ありがとうございまーす!」
「え、ちょっと離せっ!!」
結局ズルズルと恭平の家まで引きずられ、いつの間にか真っ暗な校舎に来ていたのであった。
決して物に釣られた訳ではない。絶対に。


「ほぉー誰もいねぇなー」
「当たり前じゃない夜11時に学校に人がいる方がおかしいでしょ」
きょろきょろと辺りを見回しながら言う恭平に答えた。
「で?」
「へぇ?」
「どこから入るの?」
昇降口は閉まってるでしょ?と言うと恭平はあはは、とわざとらしい笑い声をあげた。
え、まさか嘘でしょ?
「…私帰る」
「ちょ、冗談だから!ちゃんと考えてるから!」
なら最初からそう言いなさいよ。
先行きが不安すぎて思わず『来なきゃ良かったかも』と思ってしまった。