mapleさんのイメージでSSを書いてみた。

「して、それが注文したものか?」

貴族を絵にしたかのような高慢な態度と煌びやかな衣服。
しかしながら肩肘を突きながら、職人らしき男を見つめるその視線と纏う空気やその黒髪に艶やかさは、貴族以外の地位ではまるで成り立たないものだろう。

「然様で御座います、ご主人様。注文通りこの世で一番残酷で、確実に処刑を執り行う処刑具で御座います」

ふむ、と複雑なからくり構造で組み上げられたそれを、愛おしそうに一通り眺めると、職人の方を向き直った。

「良い出来だ。されば、最後の仕事をしたまえ」
「光栄で御座います。それでは、御機嫌よう」

そう満足そうに答えると、二枚の板の間に入り、自ら固定具を腕と足に留めた。
貴族の男がハンドルをゆっくりと回しはじめると、三方向から飛び出した鉄の板が職人の肉と骨を圧迫し、押し潰した。
途中まで聞こえていた悲鳴も、男の喉笛が潰されると共にただの空気の漏れる音へと変わった。
やがて暴れることさえもやめ、固定具を外され引っ張り出された男の顔は、全てをやり遂げた、満足そうな顔をしていた。

「御機嫌よう、神にその仕事を誇りたまえ」

にこりとひとつ、冷ややかに笑った。


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