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ワハハハハハハ!!

ワハハハハハハ!!

今日、バルバットの高級宿の一室は何よりも賑やかだった。

そきには霧の団の統領であるカシムと霧の団数名とアラジンとモルジアナがアリババの話で盛り上がっているのであった。

「プハッ!・・・そりゃ、本当かよっ!!アラジン!!」

「そうだよ。アリババ君が必至になって逃げたんだ」

迷宮(ダンジョン)攻略の話を聞いて、カシムは相変わらずのアリババの様子に笑いがこみ上げていた。

そんな賑やかな一室で話す彼らをモルジアナも珍しく、その顔にほほ笑みを浮かべていた。

そんなモルジアナを見てカシムは言った。

「アンタも苦労しただろうな・・・アイツ。天性の女っタラシだから。」

「・・・・・・・・・・。」

「この国の女のほとんどはアイツに惚れてるからな。」

「まったくだ。」

ワハハハハハハ!!

ワハハハハハハ!!

が、そんな笑顔もカシムの一言により消えたのは言うまでもなかった。

「ねぇ、カシムお兄さん。今度は僕にアリババ君の事を教えてよ!!」

そう言ったアラジンをカシムは笑って「いいぜ」と言い、アラジンの頭を撫でた。

その手がアリババと同じく感じた、アラジンはアリババを懐かしく思った。

カシムは手に持っていたタバコをジッと見つめて、何か思い出すようなそぶりをした。

「一言で言えば・・・正義感と不真面目の塊みたいな奴だな。アイツは・・・・」




俺とアリババはなスラムの生まれで、本当の兄弟のように過ごしていた。

「こらっ!!クソ餓鬼どもッ!!待てッ!」

怒鳴り声を上げながら、一人の大人は二人の少年を追い回していた。

『俺らがクソ餓鬼なら、お前はクソ爺だ!!』 

アリババ当時六歳

「そうだ。そうだ!!つか、待てって言われて待つ馬鹿いるか、アホ!!」

カシム当時七歳

俺とアリババは昔から悪ガキでな、よく一緒にいろいろ悪さをしたもんだ。

『カシム、なんだそれはッ!!』

「あぁ・・・これか?タバコだよ。お前も吸ってみるか?」

アリババはズンズンとカシムの下へと近寄って、その手に握られたタバコを奪った。

「ッ!!なにすんだ!!」

『子供の吸うもんじゃねぇッ!!オトナぶんな馬鹿!!』

だけど俺がちょっとでも違う道を行ってしまいそうになったら、必ずアイツが俺を止めるんだ。

「このッ!!返せ!!」

ドゴォ!!

『返すか馬鹿!!』

でも俺は頑固だからな、アイツが俺を叱るたびに俺は反感して・・・喧嘩の始まりさ。

ドゴォ!!

「どうしてお前は何時もいつも、俺がやる事にケチをつけるんだ!!」

『当たり前だろうッ』

アリババは堂々と言った。

『タバコは体に悪いからだ!!』

「・・・・・・・・・・・・・は?」

素っ頓狂なアリババの答えにカシムは唖然とした。

そんなカシムの反応が気に入らないのか、アリババの熱弁が始まった。

『タバコの煙は体に悪いって知らないのかお前!!ったく、そんな奴が吸うから肺がんになって後で俺に泣きつくんだから!!』

そうブツブツ言うアリババにカシムは唖然としていたが、口を開いた。

「そ、それが理由か?」

『いや、あと。大人に見つかるといろいろ面倒だから見つからない程度にごく少量を吸えって話』

まぁ、最終的に決めるのは本人だからなと言うアリババを見て、カシムは突然、噴出した。

「ブフッ!!フフフフフ、アハハハハハ!!・・・意味わかんねぇ」

目に涙を浮かべながら、笑うカシムを見て、アリババも笑った。

「まっ!結局、最終的にはアイツのアホな発言で俺が笑って喧嘩は止まるんだけどな。」

そんな話をキラキラとしていた目で聞いていたアラジンは言った。

「本当に、アリババくんとカシムお兄さんは仲がいいんだね」

それを聞いたカシムは誇らしげに言った。










「俺とアイツは親友だからな!!」

それを聞いたアラジンもなぜか嬉しそうに笑った。

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