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シンドバットとアラジン達はある貴族の屋敷の警護に加わっていた。

その屋敷は今日、「霧の団」に襲撃が予想される屋敷であった方である。

なぜ彼らが「霧の団」に関わろうとしているのは、後の機会にする話すとして。

シンドバットはその屋敷を見て異変に気づいていた。



「・・・・・・。」

警備が手薄になっている事である。

明らかに警備の人間の数が少ないのだ。

しかも門は開けっ放しで、まるで入ってくれと言わんばかりである。

その様子に呆れたシンドバットは窓から見える屋敷の主人に言った。

「いいのか?このままでは屋敷の物が奪わられるぞ」

そうシンドバットが言えば、主人は何を言っているんだと言う顔でシンドバットを見た。

「盗られるために開いてるんだ、当たり前だろう」

そう言った。

その発言にシンドバットも隣にいるマスルールも首を傾げた。

一体どういう意味なのだとうか?

そう思っている彼らの前に人がポツンと現れた。

その人の身なりはあまりいい者とは言えない格好で立っていた。

シンドバットとマスルールは賊かと思って身構えるが、それより先に警備についていた者が一歩前に出た。

「さぁ、こっちです」

そう言ってその人間を屋敷の中に招き入れたのだ。

その人間を皮切りに続々と人間が屋敷に入って行った。

それを見たシンドバットは驚いた。

彼はそっと屋敷の中を見てみれば、人々が貴族から食べ物を受け取っている姿を見て更に驚いた。

シンドバットは近くにいた警備の人間にすぐこの現象について聞こうとした時、違う声がかかった。

「お前ら、誰だ?」

背後から聞こえる声にシンドバットは振り返った。

数多くの人間にシンドバットは目を見開いた。

何時の間に・・・・そう思っている中、シンドバットはある人物を見つけた。

大勢の人間の中心にいる一人の青年の姿を見た。

霧と共にやって来た男を見てシンドバットは唖然としていた。

「ここは危ないぜ、早く宿に帰んな」

そう言った男はシンドバットの横を通り過ぎようとした時だった。

シンドバットは口を開いた。

「君が・・・カシムか?」

そう言った瞬間、青年の動きは見事にピタリと止まった。

そしてゆっくりとシンドバットを見た。

その目には少しだけの警戒の色が見える。

「お前・・・誰だ?」

二回目の言葉にシンドバットは口を開いた。

「国王から君に伝言を預かっている・・・」

「・・・・・・・・・・・。」

カシムは何も動揺せずにただシンドバットを見ていた。

「準備は整った、好きにしろと・・・」

その言葉にカシムは目を見開いた。

「そうか・・・そうだよな」

苦笑い気味に笑ったカシム。

「アイツが正したんだ…そう簡単に崩れるハズがないよな」

そう安心しきった顔にシンドバットは驚いた。

そして口を開いた。

「アイツって・・・お前たちが連れ戻したい奴と一緒なのか?」

今度はカシムが驚く番だった。

そしてシンドバットを見て言った。

「これは俺たちの問題だ・・・伝言を伝えてくれたのは感謝してる。もう国に帰んな・・・。」

そう言ってシンドバットの前から去ろうとした時だった。

「ねぇ、お兄さん。」

アラジンの声がカシムの足を止めた。

アラジンはニコニコと笑いながら言った。

「アリババ君を知っているかい?僕の友達なんだ」

その名前を言った瞬間だった。

「ッ!!」

今まで食糧にありついていた人々も警備をしていた国軍も貴族も霧の団も皆が皆、言葉を失った。

アラジンはその様子に首を傾げながらもカシムを見ていた。

「・・・・・・お前、アイツを知っているのか?」

震える声でカシムが口を開く。

アラジンはそんなカシムの様子を見て、アリババを知る人物だと思って笑顔になった。

「うん!アリババ君と数か月前に一緒に迷宮(ダンジョン)攻略をした仲さ!」

そう言ったアラジンの言葉にカシムもシンドバットも目を丸くした。

ガシッ!!

「うわぁ」

両肩をいきなり掴まれて驚いたアラジンであったが、目の前のカシムの必死な表情に何も言えなくなった。

「教えてくれッ!アイツは・・・アイツは今どこにいる?」

「・・・僕はアリババ君がバルバットに向かうと言づけを聞いてここに来たんだ。」

それを聞いたカシムは脱力して、その場に座り込んだ。

周りの霧の団の皆も同じような行動をとった。















「よかった」

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