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アラジンとモルジアナと途中であった葉っp…シンと一緒にバルバット入りをして初めに目に入ったのは。
「アリババくんっ!!」
アラジンは目に入った懐かしき人物を見て走り出す。
「アラジンさんっ!!」
モルジアナを呼び止める声が聞こえたとしてもアラジンは嬉しさが増し、真っ直ぐにアリババに向かってそして・・・。
ゴンッ!!
・・・・ぶつかった。
反動でそのまま後ろに飛んだアラジンはおしりを打ち付けた。
「いたた・・・」
そう言いながらアラジンの頭は?ばかりである。
(アリババ君ってこんなに硬かったっかな?)
そう思いながら、アラジンは上を見上げる。
そこにはどう見てもアリババの姿があった。
アラジンは恐る恐る、アリババに触れてみる・・・。
叩いてみればコンコンと人間ではあり得ない音が聞こえた。
それにアラジンは驚いた。
「ハハハ!!」
それを見たシンは笑った。
「おじさん?」
アラジンは急に笑うシンに不思議に思って首を傾げるアラジンにシン入った。
「それは人じゃなくて、人形だよ。アラジン」
それを聞いたアラジンは更に首を傾げた。
「人形?」
モルジアナもなんだかわからず、言葉を口にしただけである。
シンは頷き、その人形に近づいてコツンと叩いた。
「これはバルバッドで人気な物語の「怪傑アリババ」の主人公の人形なんだ」
そう言ったシンに二人は同時に言った。
「「物語?」」
その姿にクスッと笑ったシンは言った。
「そんなに君たちの知り合いに似ているのかい?」
アラジンはニッコリと笑って大きく頷く。
「うん、名前も同じだしね。ねぇ、モルさん!!」
「えぇ。」
モルジアナが人形を見る目がすこし緩んでいてシンは目を見張った。
同じ名前に同じ顔・・・偶然では、きっとないな。
シンはなにか確信めいたものをもって、その場を後にした。
アラジンとモルジアナはシンのはからいによってバルバット一の高級宿に泊まる事になった。
さすが高級宿と言った所か、中の煌びやかなな装飾品に目を輝かせた二人。
ふかふかのベットに体を預ければ跳ねる体にアラジンは大興奮だ。
それを微笑ましく見ていた案内役の宿の女性は言った。
「何かわからない事があれば、何でも仰ってくださいね。」
その言葉にアラジンはバッと起き上がって、笑顔で言った。
「それじゃぁ、お姉さんに一つ聞きたい事があるんだけど…。」
「はい、なんでしょう?」
「アリババ君を知ってる?僕の友達なんだ」
ガシャン!!
それを聞いた女の手から果物が乗った皿が滑り落ちた。
その音にビックリしたアラジンとモルジアナだったが、皿を見ていた視線を上にあげて更に驚いた。
「・・・・・・・・・・・。」
女は落ちた皿になど目もくれず、手を口に当てて驚いている様子だった。
その目にはうっすら涙が滲んでいて二人は驚いたのだ。
「その方は・・・「怪傑アリババ」にそっくりな方ですか?」
女はそうポツリと小さい言葉を漏らした言葉をしっかり聞いたアラジンは頷く。
それを見た女はバッとアラジンに近寄った。
「うわっ!!」
驚くアラジンなど目に入っていないように、女はアラジンに縋り付くようにした。
アラジンの横にいるモルジアナも女のその行動に驚いている。
「教えてくださいッ!!あの方はッ・・・あの方はご無事ですかッ!!」
必死な女の言葉にアラジンは「うん」としか言えない。
それを聞いた女はパァッと笑顔になって、アラジンを開放した。
「よかった・・・ご無事で本当に良かった」
そう言って女は目から涙がポロポロと零れた。
その女の様子、聞きたいことがいっぱいある筈の二人なのに何も言えなくなってしまった。
「よかった・・・。」
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