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二人の迷宮行きが決定だが、さっそく行くわけでもない。

市場(バザール)で食糧などを買い込んでいると向こうでなにやら騒いでいると思っていると。

アラジンと一人の少女の姿。

そしてあのバカ。

なにやら俺の顔を見てなにやらすっごい不快な顔をしている。

それはこっちだ馬鹿野郎と思っていると馬鹿は怒鳴った。

「このガキは貴様のツレだろ!!奴隷の鎖をかってに切ってこれは重罪だぞ!!」

ガキとはアラジンのことだと分かったが奴隷の鎖とはまったく聞き覚えのない事だ。

アラジンの近くを見渡せば、地面に倒れている少女の足には不釣り合いな頑丈な鎖の姿。

それを見て眉間にシワを寄るのを感じながら、馬鹿に言った。

『それぐらいでなにが重罪なのですか?』

そう言えば馬鹿は更に怒って言った。

「いいか、奴隷の鎖を切ると言う事は貴族の所有物を取ると言う事で窃盗の罪なのだぞ!!」

『はぁ、すいません。』

一応、誤っておく。

そしてアラジンに近寄って小さい声で言った。

『ダメだろ、アラジン。そうゆうことはバレないようにやらないと。どっかのバカが五月蠅いだろう。』

そう言えばアラジンは「わかった」と答えてくれたが、横槍が入る。

「聞こえてるぞキサマ!!」

うるせぇなと思いながら、思わず舌打ちして馬鹿を見据える。

『人を奴隷にしている時点でそれこそ重罪だろ。』

嫌悪感出しまくりで言えば、馬鹿はニィッと笑って行った。

「それは他での話だろう?この町ではそれが許されるんだよ。」

どれだけ腐った町なんだろうとこの町に落胆している、馬鹿は更に笑みを深くしていった。

「お前が1000ディナール払えなかった時はどうしてやるか教えてやろうか?」

いや、別に知りたくないしと思って答えないでいると勝手にしゃべりだした。

「奴隷にしてやる」

その一言で野次馬の連中の空気が固まった。

馬鹿は横にいる家来になにか命じて少女を自分の元へと連れてくる。

そして少女の髪を掴んで言った。

「奴隷にして生涯、お前を痛めつけてやる。」

そんな言葉は耳に入らない、入るのは一人の少女だけ。

「奴隷はつらいぞ〜。こ〜んなことされても、文句はいえんからなァ〜。」

そう言って蔑まれている少女の目に涙が浮かんでいるのを見て、なにかが切れた。

『・・・・・・・・・・・。』

なにも言わない俺に馬鹿はビビったのかと思って嬉しそうにしている。

おれは一言、言った。

『離せ』

自分でもずいぶん低い声が出たと思う、馬鹿も目の前の少女もビクついた。

馬鹿は俺に怯えながら言う。

「お前、誰にものいって『いいからその手を離せ』

そう言えば男の手はパッと離れ、少女の体制は崩れる。

男は体がガクガクと震えながら、信じられない目で俺を見ている。

そんな男にこっそり近づいていたアラジンが笛で男のすねをスコーンと殴った。

アラジン、グッジョブ!!

馬鹿はアラジンに任せて、俺は少女に近づき手を差し出した。

『大丈夫か?』

そう言って手を出すが、少女は俺の手を見てるだけだった。

このままではらちが明かないと思って無理やり少女の手を掴んで起こしてやる。

「!!」

少女は大層驚いているが、無視して少女の服の埃をとってやる。

「あ、あの」

少女が何か言う前に俺は少女の頭を撫でていた時だった。

馬鹿が警史(ワリ)を呼んだのか、大勢やってきた。

さすがにこれはやばいと思いながらアラジンを回収して走り出す、少女とすれ違いざま俺は言った。













『待っていろ!!』

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