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私を人は何物(ナン)と言うだろう?

もし現代の人間ならゆとりの申し子と言われ。

だが今なら冒険者と言われる

そう、俺は旅人である。

現在は違うが・・・。

旅をしている最中、行き倒れになった俺を助けてくれたのは運送屋の社長だった。

そして社長の恩義を返すため、無償で俺は働くのであった。

そんなある日の事だった。

今日の客は少年一人と親子一組、そして葡萄酒とデブの親父一人だった。

なんか後ろでブツブツ言っているので適当に『スイマセーン』と棒読みで言っておいた。

この親父は心底、胸糞悪い奴でいちいち金ですべてを意のままにできると思ってるただのバカである。

本来ならグーパンの一つでも出るが、口で言うだけあって金の羽振りがいいのでしばらくは目をつぶってやろう。

「わしの林檎にさわるな!!」

さっそく馬鹿の怒鳴り声が聞こえて、俺は前から視線を外して後ろを見た。

そこには客の一人の少年が馬鹿の林檎に手を出そうとしていた所だった。

林檎の一つぐらあげればいいのに、変なところでケチな馬鹿である。

「ぼくにもおくれよ」

そういう少年に俺は言った。

『その林檎はそのバ・・・旦那の林檎なんだからダメだよ』

あぶないもう少しで馬鹿と言うところだった。

俺の言葉にシュンとなっている少年を俺は手招きした。

『おい、こっち来い。』

そう言えば少年は素直に俺の方へとやってきた。

そして馬鹿の視界に入ならいように懐から林檎を出した。

『ホラ、形が悪くて売り物にならない奴だけど味は一緒さ』

そう言って少年に差し出せば。

落ち込んでいた顔をパァッと輝かせた。

「いいのかい!!」

『あぁ、こんな奴で悪いがな』

そう言えば、少年はすぐに林檎にかぶりついて「おいしいよ。ありがとうおにいさん!!」と満面の笑みを見て俺は少年の頭を撫でた。

撫でれば猫みたいにすり寄る少年に更に可愛さがましてグリグリと撫でてしまう。

そうしていれば、少年は二パッと可愛い笑顔で言った。

「お兄さんの名前はなんだい?僕はアラジンさ!!」

少年もといアラジンに俺は答えた。

『俺はアリババ』








『しがない運び屋さ』

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