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成長したジョセフ・ジョースターは父親のジョージ以上にジョナサンに顔立ちがソックリだった。

それを見るたびにエリナは胸が熱くなる想いをする。

ジョージは真面目な性格でジョセフは不真面目な性格だ。

ここも若干、ジョナサンと似ている。

二人の大きな共通点は優しい所だとエリナは思う。

二人とも表にはあまり出さないが、いつも他人を気遣っているのだ。

ジョセフを見ているとジョナサンを思い出すのだ。

スピードワゴンもジョナサンに似てくるジョセフを見てよく笑っていた。

そんなジョセフの18歳の誕生日にスピードワゴンがプレゼントと称してエリナと共にアメリカ旅行のプレゼントをしたのであった。

ジョセフの両親であるジョージとエリザベスは仕事で行けないとの事で旅行を辞退した。
そして二人がアメリカの地へと渡って来たのであった・・・・。




「なぁ、お婆ちゃん。スピードワゴンがよ俺の為とか言ってアメリカに来いって言ってよ。どっか旅行しているんだって?いい加減な奴だな」

不満そうなジョセフにエリナはほほ笑みながら答えた。

「石油の仕事できっと忙しいのでしょうよ。」

スピードワゴンはアメリカに渡り、そして石油王となり今でspw財団の名前を知らぬものはいないだろう。

真実はジョナサンが適当に掘り当てた油田をスピードワゴンにあげたとかは、誰も知らないのであるが・・・。

(会社経営がめんどくさいとかそんな理由で大金持ちの道を蹴る人間もそうそういない)

エリナの話を聞いたジョセフは「ふ〜ん」と納得いかないような返事をして頬杖をついて車の外を見ていた。

エリナはその横顔を見て目を見開いた。

こういう時、エリナはドキッとする。

ふとした瞬間の表情、しぐさがジョナサンにあまりにも似すぎているのだ。

驚きで声も出ないエリナにジョセフは話しかけた。

「ねぇ、おばあちゃん」

「・・・・・・・なんだい?ジョジョ。」

冷静を装ったエリナだが若干、声は震えた。

「爺さんってどんな人だった?」

その発言にまたエリナは目を見開いた。

「ど、どうしたの急に・・・」

そうエリナが言えばジョセフは言った。

「だってよー。スピードワゴンの奴が俺を見るたびにいつも爺さんの武勇伝ばっかり聞かせるんだぜ。気になっても仕方ないだろう?」

そう言えばスピードワゴンはジョナサンの面影が見えるジョセフに何時もジョナサンの話をしているのだとエリナは思い出した。

「それに俺にソックリって言われてもよー。写真っていっても子供の頃のしかないじゃないか・・・。」

ジョナサンが映っている唯一の写真は子供の頃の彼らの家にある一枚の写真だけだ。

それ以外のものはすべてジョナサン本人が処分した。

本当はすべて処分するはずだったのだがエリナが一枚だけ確保したのだ。

子供の頃の写真なのでまだジョナサンが男として孫は認識しているのだ。

「ジョナサンは誰よりも優しくて、可哀そうな人よ・・・。」

そうポツリとエリナは言った。

その言葉にジョセフは驚いた。

いつもスピードワゴンから聞かされるのは彼はどんなに強かったか、逞しいか、勇気があるかなどそんな感じの事ばかりである。

だからジョセフは知らない祖父を誰よりも強く、逞しい存在なんだと思っていた。

だけどエリナから出た言葉は自分の予想とは違ったものだった。

「・・・・・可哀そう?」

エリナは深く頷いて、ジョセフを見た。

「ジョナサンは私達を守るために自分の幸せをすべて犠牲にしているの・・・それしか手がないとしても私はそれがどうしても許せない。」

ギュッとドレスを強く掴むエリナを見てジョセフもそして話を聞いていたスモーキーも驚いた。

そんな驚きの二人など気にしていないエリナはジョセフの頬に手を添えた。

「だからジョセフ、あなたは絶対に幸せにならなくてはならない」

その強い瞳で見つめられたジョセフは目を見開いた。

いつも穏やかで優しい祖母がまるで別人のように見えた。

「エリナばあちゃん・・・・。」

そうジョセフがエリナを呼んだ時、エリナの目はいつも通りの優しげな瞳に戻った。

「いつか・・・会えれば分かる。」

「えッ!!」

ジョセフはエリナの言った事の意味が分からず聞き返したが、エリナは答えることなくほほ笑むだけだった。







私は充分、幸せよ

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