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ジョセフ・ジョースターは謎に思う事がある。

その疑問は必ず誕生日とクリスマスにやってくる。

この2つの共通点はプレゼントをもらう事、ジョセフは毎年のプレゼントに対して疑問に思っていた。

そして10回目の誕生日の日にその疑問を父にぶつけてみようと思って口にした。

「ねぇ、父さん。」

呼ばれたジョセフの父、ジョージ・ジョースターは優しい笑顔を息子に向けたのであった。

「なんだいジョジョ?」

ジョセフの家族は彼の事をジョジョと愛称をつけて呼んでいた。

母も祖母もスピードワゴンも皆、彼をジョジョと呼んだ。

「毎年来る差出人不明のプレゼントはいったい誰からくるの?」

そう、ジョセフの元にくるプレゼントの中には決まって差出人不明のプレゼントがあるのだ。

その差出人が疑問に思っていたジョセフは父に今まで思っていた疑問を言った。

それを聞いた父は表情から笑顔を消し、不安そうな顔をしてジョセフに聞いた。

「ジョジョ、その人から貰うプレゼントは嫌かい?」

そう聞かれたジョセフはすぐさま首を振った。

「ううん。全然ッ!!だけど・・・」

「だけど?」

言葉を濁す息子に首を傾げながらも、ジョージは優しげな声で促した。

「俺だけ毎年貰ってちゃ、不公平だろ?俺もその人に何か送りたい。」

そう言ったジョセフの言葉に父は今までにない嬉しそうな顔をして、そしてジョセフを抱え上げた。

「うおっ!!父さん!俺はもう10歳だよッ!!」

そう言う必死な息子の声を無視して、ジョージは口を開いた。

「ジョジョ、プレゼントの送り主は今は教えられない。でもなジョジョ、いつかきっと会える事をお父さんは約束する。」

普通の子供ならここで駄々をこねて親を困らすのだがジョジョは違った。

ジョジョは昔から勘の良い子供だったし・・・何より、そう言った父が誰よりもソレを望んでいるかのようなその表情にジョセフは何も言えなくなってしまった。

「それまでその人にお礼の手紙でも送ろうかジョジョ!!」

笑顔でそう言う父にジョセフは同じく、笑顔でうなずいた。

「うん!!」





『・・・・フフフッ!!』

珍しくジョナサンの機嫌のいい笑い声に仕事をしていたタルカスとブラフォードは足を止めた。

ジョナサンの方を見て見れば、これもまた珍しく嬉しそうな顔で手紙を読んでいるジョナサンの姿が目に入った。

それを見たブラフォードは理解した。そう言えば今日、スピードワゴン財団から手紙が来ていたのだと。

その手紙をジョナサンへと渡したブラフォードは察した。

定期的にスピードワゴン財団から来る手紙、もちろん差出人は遠い異国の地に住む主の家族たち。

手紙を書いたであろう男はついこの間までジョナサンが生きている事を知らずにいた人物。

10年前のある事件によって二人は顔を合わせ、そして親子の対面を果たしたのであった。

そんなジョナサンの息子からよく手紙が来るのを誰よりも楽しみにしているのだ。

その様子を見るのがタルカスとブラフォードの楽しみでもあった。

やはりジョナサンが嬉しげにしていれば自分達も単純に嬉しいのだ。

微笑ましく主を見ていると、ジョナサンが自分達の存在に気付いて声をかけた。

『タルカス、ブラフォードッ!!ジョセフから手紙が来たのよ!!』

その言葉に驚かされるのは今度は二人の方であった。

ジョセフはジョナサンの息子、ジョージ・ジョースターの息子である。

そんな彼から手紙が来るとは思ってなかったのである。

驚いているタルカスとブラフォードの姿を見て、ジョナサンはご機嫌に笑った。

『10歳の誕生日プレゼントのお礼の手紙よ。』

そう言ってジョナサンが見せる手紙には子供らしい文字と言葉があって、二人も微笑ましく見た。

ジョナサンはその文字を愛おしげに撫でた。

『そう…もうこんな文字も書けるのね。』

悲しげな嬉しそうな言葉がジョナサンの口からもれた。

タルカスは話題を換えるように声をかけた。

「ジョナサン様、お返事をお書きになりますか?」

その言葉にバッと振り返ったジョナサンはニコッと笑った。









『えぇ、もちろんよ!!』

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