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その後。スピードワゴンにより石仮面はハンマーでくだかれ、ディオの首は誰の目に触れないよう海中へと葬った。

自分の家へと帰ったジョナサンは父親とエリナの出迎えを受け、そして結婚相手のいるアメリカへと発ったのである。

だけど、それから一週間。

ジョナサンの住む町が大火事になり大惨事になっているとイギリスにも伝わってきた。

それを聞いた瞬間、嫌な予感がしたスピードワゴンはすぐにジョナサンを探した。

ジョナサンの婚約者であるトムはすぐに見つかったが、肝心のジョナサンの姿はなかった。

トムの話によれば、ジョナサンは自分達を助けた後すぐに離婚願いを出して姿を消したと言った。

それを聞いたスピードワゴンはこの大惨事にはディオが関わっていると確信した。

彼が直接関わっているのではなく、彼が生み出した屍人(アンデッド)の仕業である。

ディオを酔狂していた屍人たちはそれを倒したジョナサンに深い憎悪の念を持っていたのだ。

それを察知したジョナサンが回りを巻き込まぬように逃げたのだと、スピードワゴンは信じていた。

(あの人はなんだかんだ言って、決して他人を巻き込まない人だから。)

だが、スピードワゴンの前にジョナサン・ジョースターが姿を現すことはなかった。




それから一年後、イギリスに住むエリナ・ペンドルトンの元に一人の人物が現れた。

その人物はジョナサンだった。

エリナはずっとジョナサンの無事を祈っていた人物の一人であり、彼女の親友だった。

絶望的と言われながらも決してジョナサンの死を認めようとはしなかった一人である。

そんな彼女の前に現れたジョナサンは挨拶もそこそこに抱えていた包をエリナに渡した。
エリナはそれを受け取った。

温かみと重量感のあるそれを持って、看護師であるエリナにとってそれがなんなのかすぐに分かった。

赤ん坊だった。

「ジョナサンッ!!この子は!?」

驚きに満ちているエリナの顔を見て、ジョナサンは苦笑いした。

その笑顔を見たエリナは嫌な予感がした。

その笑顔はジョナサンがディオを倒すため、しばらく留守にすると告げた時に見せたあの笑顔と一緒だったから。

エリナは直感した、この人はまた居なくなってしまうと・・・・。

自然と目に涙が貯まっていく、その涙をジョナサンはふいた。

『この子はジョージ、ジョージ・ジョースター。お願い、エリナ。この子の母親になって?』

「なにを言ってるの?」そう言おうとした声はしゃくりあがる喉に邪魔されて、うまく言葉に出来ない。

なにより、泣いている自分よりも悲しげな表情をするジョナサンを見てエリナは何も言えなくなってしまった。








『お願いよ、エリナ』

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