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『やっちまったぁあああああああ!!』
私としたことが、つい美人が襲われているのに夢中になって変態野郎の存在を忘れていた。
頭を抱えて絶叫している私を見て、奴は嬉しそうに笑っていた。
相変わらずその顔を見るだけで頭痛がしそうだぞ、こっちは!!
そう思いながらキッと睨み付けてやっても奴は相変わらずの笑顔でいた。
ふっ!そうやってお前は私を刺激して戦いに持ち込みたいようだがな、甘いぞ。
『逃げろッ!!』
先手必勝、逃げるが勝だッ!!
そう思って、足を進めようとしたが体を拘束される感覚だした。
途端に体から温度が失われる間隔がした。
ハッとして顔を真横に向ければそこには奴の顔が。
後ろから抱き締められていて逃げようにも吸血鬼の力では無力だ。
「フフフ、無駄無駄無駄。」
迷惑にも人の耳元で笑うものだから、一瞬にして体に鳥肌がたった。
キモッ!マジでキモッ!!
そう思いながら、ニィッと私は笑う。
その油断しきった変態ズラを今日で最後にしてやるぜッ!!
そう思った瞬間、ディオの手がパッと離れた。
「ふぅー。危ない、危ない。ジョジョ、お前のその手にはもう乗らんぞ」
そう言ってドヤ顔で言ったディオの顔が殴りたいほどムカついた。
そんな私の心中を知ってか、知らずか奴はニィッと笑って私を見た。
「ジョジョ、お前のその不思議な力はどうやら血液の流に関係あるようだな。お前が今まで倒した屍人(アンデッド)で学ばせてもらったぞ」
ゾワッ!!
それを聞いた瞬間、寒気がたった。
え・・・・それって私を今まで見張ってったって事だよね?
本当につくづく変態、そしてストーカーだなクソ野郎。
ディオは私の前に自分の手をかざして、そして自分の手を一瞬にして凍らせた。
そのまま全身凍ってくれないだろうか・・・・そしたら北極海の海にでも放り込んでやると言うのに。
心の底からそう思っても、ディオがそんな間抜けをするわけはなく笑顔で言った。
「お前の体を凍らしてしまえば血液の流れなど関係ないと言う事だ。・・・なに、心配するな俺様が後でじっくりと解凍してやる。」
何それっ!!レンジの解凍モードみたいな?ふざけんなッ!!卵入れて爆発させんぞ、ゴラァ!!
『バット・ロマンスッ!!』
怒りまかせに大声で叫ぶように、その名を呼んだ。
「ッ!!な、なにをッ!!」
波紋を使えないディオには見えないだろうが、バッド・ロマンスのバラのつたがディオをがんじがらめに縛った。
何が起こっているのか分かっていなディオがキョドっている姿を見て、高笑いしたい気分になる。
『お前が吸血鬼であるかぎり、お前は私には触れられないんだよ・・。』
私は凍ったディオの手を掴んで言った。
『氷越しではなければ、お前は私を触れない。一生、お前は私に触ることなど不可能だ・・・ディオ。』
見下すような視線をディオに送った、奴は悔しそうな悲しそうなどうしようもない顔をするのを見てニィッと笑う。
『さようなら・・・ディオ』
そう言って私はディオに背を向けて歩き出した。
コツコツコツと歩いていれば、スピードワゴンは私に声をかけた。
「いいのか?ジョースターさん・・・ディオを倒さなくて」
そう言ったスピードワゴンに私は言った。
『ディオに別に恨みもなにもないからね・・・それにディオはあの拘束を一生抜ける事なんてできないよ。』
私が生きている限り、バット・ロマンスは一生奴を拘束し続ける。
私の一生が終わるころにはアイツを生かすものは無くなって、花が枯れるように死んでいくだろう。
そう思ったから、別にディオを殺そうとは思わなかった。
その必要はないと思ったから、それに・・・・・・・・・・・・・―――――――――。
「ッ!!ジョースターさんっ!!」
「ジョジョッ!!」
スピードワゴンとツェペリさんの切羽詰ったような声が聞こえて、不意に振り返った。
「ジョジョーーーーーーーーーーーーー!!」
その声と共に現れたのはディオ・・・・の生首であった。
反撃の前に私の思考は停止した。
なぜなら・・・。
ズキュゥウウウウウウウウン
・・・・・・・これでで分かるでしょう?
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