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ちょ、ちょっと待てぇえええええええええええ!!
お前、その手に持っているのなに?
え!?明らかに石仮面ですよね?
何処で手に入れたの?
私がちゃんと地下倉庫で厳重に厳重にとって置いたのに・・・。
つか、人の親友殺そうとしやがって・・・。
え?死んだんじゃないかって?
ない、ない、ない。
そんな私がヘマするわけないじゃない。
トムは今、恋人のブライアンと私の変わりにハネムーンを味わってるわよ。
たしか・・・カナダ当たりにでも行ったんじゃなかったけ?
そんな事よりも、ちゃんとトムくんは生きているからね。大丈夫だからね・・・。
ジョナサンは目の前に迫るナイフを自分の手で受け止めた。
その光景はまるで七年前と同じであった。
だが違うのはジョジョはナイフを右手に突き刺して止める事だ。
さすがに七年という月日が男と女の力の差を大きくしたのだ。
ディオはジョナサンを射したことに一瞬ひるむ、それを見逃さなかったジョナサンは両足でジャンプし飛び蹴りの要領でディオを蹴った。
ドゴォオお!!
見事ディオは吹っ飛ぶ。
だけどディオはナイフを持ったまま後ろに吹っ飛んだので、ジョナサンの手に刺さるナイフが一気に抜ける。
『っ!!』
刺さったナイフによって止血されていたが、抜けたことによりとめどなく血は溢れてくる。
「ジョジョッ!!」
父親が私を心配して駆け寄ろうとするが、ジョナサンはディオに向かって走り出した。
(今回ばかりは顔を一発殴らにゃ気が済まん。)
そう思った瞬間だった。
「うっわはははーーーーー!!」
ディオが高笑いをする、しかも石仮面かぶって。
彼の手がジョナサンの血で濡れ、その血を石仮面につけた。
(し、しまったぁあああああああ!!)
「奴を射殺しろ!!」
警官が言った瞬間、バンバンバンと拳銃の音。
ディオはその体にすべて命中に、窓の外に吹っ飛ばされた。
(どうしよう、絶対に吸血鬼になってるよね。あれ絶対そうだよね・・・・。)
『よし、逃げよう!!』
「ジョースターさん!?」
「ジョジョ?」
(父とスピードワゴンの声が聞こえるが私は逃げさせてもらうぜ。)
そう思ってジョナサンが足を進めようとした瞬間だった。
「ジョジョ」
ビクゥ!!
それはその場に響かないはずの声だった
ガシッと手を掴まれ、その冷たさにジョナサンはギョッとした。
そのまま手を上に挙げられて自然と掴んだ人物を見た。
ディオがそこに立っていた・・・・。
彼はうっとりたした表情でジョナサンの手を口に近づけていく。
ハッとして離そうとするが、もう人間でない彼の力に到底かなうはずもない。
びくりともしない腕にいらだちを覚えているうちにディオが手の傷口の血をなめた。
ゾクッと背中に鳥肌が立つのが分かる。
ピチャピチャと何とも言えない音が響く。
誰もがその場を動けないかった。
それは銃を受けても立っている事もあるが、ディオのその姿があまりにも美しかったからでもあった。
『やめろっ!!』
ジョナサンはついに我慢ならなくなり、空いている手でディオを殴ろうとした。
だけどそれはパシッと空しく受け止められてしまった。
拳を向けられたのに、それすらもディオは愛おしそうにその手を掴もうとした。
ジューと何か溶ける音がした。
ディオは自分の手を見る、ジョジョの手を受け止めた手が溶け出していた。
「な、なんだ!?」
ディオは混乱する、ディオの溶けは手からどんどん進行して顔までに達した。
「うわぁあああああああああ!!」
それを感じたディオはジョナサンから顔をバッと話して、背を向ける。
未だにジューと音を立てて溶けていく中、ディオは口を開いた。
「・・・・俺はお前を必ず手に入れるぞ、ジョジョ」
そう言ってディオは窓から姿を消した。
殺らなきゃ、犯られるッ!!
そう思ってジョナサンはその場で倒れた。
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