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あっという間に私とディオは大勢の警察に囲まれた。

きっとスピードワゴンが呼んだんだろう…という事は。

私はゆっくりと目の前の男を見た。

『やはり、ディオ。父さんに毒を盛ったんだね・・・』

残念だ、すごく残念だ。

ディオを見つめれば彼は忌々しそうに警官を見つめている。

スピードワゴンはディオを睨み付けて言った。

「予想以上の悪人ズラだな、ディオブランドー」

「誰だ?」

ディオはスピードワゴンを視界に入れた。

「おれはスピードワゴン、ジョースターさんとは縁がある中でね。」

スピードワゴンが得意げに答えるとディオはあからさまなため息を吐いた。

「まったく、ジョジョ」

そう言って彼は私を見た。まるでイタズラする子供を見つめるかのように優しい目で私を見た。

いや、彼ならイタズラした子供を本気で殴る何てことは今はどうでもいい。

問題なのは私の目の前にいる彼のことだ。

「そうやってお前は余計な男を引き寄せる…あのゲイの男だってそうだ。」

優しいと言うのは外見だけで、真の奥の瞳にはもう狂気しかないと私は感じた。

「また始末しなくちゃいけないじゃないか…いけないなぁ。ジョジョ」

今彼は「また」と言った。その言葉で私はすべてを悟った。

いや、そんなはずない。彼は今私が避難させてアメリカに居るはずなのだから・・・。

「アメリカ行の船なら今頃、海の底じゃないか?」

ディオの決定打の言葉に私は体がガクガクと震えた。

そんな私をディオは満足そうに見つめている。

『・・・・・・・・なんて事を』

ガクンとその場に崩れ落ちる体をディオが腕を支えて止める。

自然と私はディオを見上げる形になる。

ディオは私を包み込めるほどの体を私に傾けたと同時に私の腕を引っ張った。

「お前が悪いんだよ、ジョジョ」

『・・・・・・・・・・・。』

「俺の目の前にあんな男を連れて来たお前が・・・」

私は顔をバッとそらそうとするが、ディオに顎を掴まれて元の視線に戻される。

ディオはニィッと嫌な笑みを浮かべ、私に顔を近づけてくる。

「お前は俺のモノだ、ジョジョ」




『ふざけるなッ!!』

ドンッとディオを突き飛ばす。

だけど、ディオの体は微動だにせずに自分の体が突き出されるように離れた。

そそくさと警察のそばに寄る。

奴は危険だ・・・何か危険な匂いとゆうかフラグがある気がする。

「ディオ・・・。」

私とディオの間に父が立ちふさがるように立った。

その目は悲しみに暮れている。

彼は娘の自分から見てもお人よしな人で、子供のように純粋に人を信じる人だ。

そんな父を私は尊敬してたし、父のような生き方も憧れてた。

そんな優しい父はディオの裏切りを信じられないんだと思った。

「悲しいよ、ディオ。残念だ…実に残念だ」

父がそう言ってディオに背中を向けたのを合図に警察がディオを取り囲む。

それを見て安心するはずなのに、私は何処か不安が増すような気がした。

頭のなかでずっと警報が鳴っている。

私は足を一歩進めた。

そうしなければいけない気がしたから・・・。

目線はずっとディオを捉え、一歩踏み出そうとした時だ。

「・・・俺はお前を必ず手に入れる」

まるで呪いの言葉のようにその言葉が部屋に響いた。

ディオは捕まろうとしているのに、まったく焦った様子などなく。

それどころかそんな発言までしたのだ。

私の口から言葉は出ない。

『・・・・・・・・・。』

「何をしてでもだ。意味が分かるか?ジョジョ」

彼がそう言った瞬間、キラリと何かが光った。

それがナイフだとすぐ分かった私は足が先へと進んだ。

キラリと鈍い光を放つナイフは父の背中を直撃する。

「お前の父親を殺してまでという意味だ!!」

『ッ父さん!!』

父の背中を庇うように私は背中を守るように抱き締めた。











「俺は人間を止めるぞ!ジョジョーーーーーー!!」

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