12
それから七年の月日がたった。
エリナがインドに移住と同時にジョナサンはエスカレーター式全寮制の女子学院に入学し、家に帰る事は泣くなった。
理由としては勉学で忙しいとしたが、本当の理由はディオを避けるためでもあった。
父と使用人たちは寂しがったが、ジョナサンはまめに手紙を実家に送っていた。
そして学校を卒業し、ジョナサンは家に帰ることになったのだ。
その日は屋敷のものはそわそわしだしていた。
七年ぶりの屋敷のお嬢様が返ってくるのだ、使用人たちは腕を振るって料理や部屋の掃除をする。
父も今日は特に機嫌がいい、成長した娘の姿でも想像しているのだろう。
そしてその日は幸も不幸かディオが屋敷にいる日であった。
「旦那様、お帰りです!!」
使用人の嬉しそうな声が聞こえて、ジョージは飛び出すように部屋を出た。
その様子を見ていたディオも呼んでいた本を閉じ、立ち上がった。
「あぁ、久しぶりだな。ジョジョ」
ジョースター卿の声を聴きながら、ディオは屋敷の玄関へと出た。
そこにはジョースター卿とジョジョと思わしき人物が出来あっていた。
ジョースター卿はディオの存在に気づいた。
「ほら、ジョジョ。ディオだよ、その顔を見せておやり」
そう言われてジョナサンはゆっくりと振り返り、ディオを見た。
七年という歳月は女をあっという間に帰るのには十分すぎる時間である。
少女は大人の女性に変わり、ディオを見つめていた。
『久しぶり、ディオ。元気?』
そう言って笑うジョナサンとは打って変わって、ディオは唖然とした顔でジョナサンを見つめた。
「・・・・・・・・・・・。」
そしてディオが何かを口にしようとした時にジョナサンがそれをふさぐ。
『そうそう。皆に紹介しようと思って・・・いいよ』
そう言ってジョナサンは馬車を見て声をかける。
ガタンと馬車が揺れる、それはもう一人の人が乗っているとゆう合図。
そして現れた人物に皆が驚いた。
「待ちくたびれたよ、ジョナサン」
そう言ってほほ笑む男であった。
そう、男であった。
男はジョナサンを見つめ、ほほ笑み。ジョナサンも男を見つめてほほ笑んだ。
その二人の様子から二人の関係あ容易にとれる。
男は当たりの人間を見渡して自己紹介をした。
「初めまして。トムと言います」
そう言って人当たりのいい笑顔を受けべる青年の横にジョナサンは寄り添った。
そしてディオを見てほほ笑み、口にする。
それが、この先の悲劇を呼ぶと彼女は知らない。
『私、この人と結婚します。』
ディオの中で何かがもろく崩れ去っていく音が聞こえた。
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