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ヒュッと何かが風を切る音がした。

サッと手を目の前に突きだした。

バシッ

そこには予想通りにきた、拳を見てなんて単純なんだろうと思った。

視線を上げれば、そこには尋常ではない表情のディオがいた。

興奮気味で目が血走っていて、今まで隠されていた明らかな殺気が私に向けられていた。

「黙れ!!」

今まで聞いたことのない低い声に、ディオの仲間とエリナは震えあがる。

何時もは冷静沈着な彼が明らかに見せた怒りというなの感情に誰もが驚きを隠せない。

『・・・・・・・・・・。』

ジョナサン・ジョースターと本人だけは例外だった。

怒らせた張本人であるジョナサンはなんとものんきな顔をして、コテンと首を傾げた。

『なにをそんなに怒っているんだい?』

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

ディオは答えない、だがその眼光は強くなるばかりである。

だが、ジョナサンは言葉は止めない。彼もディオ同様に静かに怒りの炎を燃やしていたから。

『女性に自分が拒まれたら、君は殴るような人なんだろう?』

ディオの返答など最初から求めていないように、ニッコリと笑顔を浮かべて、更に続けた。

『それって、女を自分の下に見てるってことだよね』

「・・・・がう」

ディオの小さな返答を聞こえたのはジョナサンただ一人であったが、ジョナサンはそれを無視する。

顔から一切の感情をなくしたジョナサンが口を開いた。

『お前は女を見下す最低のクズ野郎だよ』




ドゴォ!!

「はぁ、はぁ、黙れ!!」

ジンジンとディオが殴った頬が痛む。

口の中が鉄の味が広がる、ペッと吐き出したら血が出た。

「ジョナサン!」

後ろにいたエリナが悲鳴に似た声で私の名前を呼んだ。

だがその呼び声に返せるほど、私には余裕がない

「俺はッ!!あんな男とは違う!!」

ディオの指す男が誰だか、分からないがディオだ相当怒っている。

それを見た私は更に続ける。

『何が違うというんだ?』

「黙れ!!」

『お前はその男と同じ、女に手を上げる最低野郎だよ。ディオ』

ガスッ!!

「俺はあんなクズの父親とは違う!!」

ドカッ!!

「違う!!」

何度もディオに殴られ、ついに体制を崩してしまった私にディオは迫ってくる。

反撃する気はない、暴力でコイツの逃げ道なんて作ってやるかとゆう私の意地であった

ディオはまた拳を振り上げ、殴ろうとした時だった。

バッと誰かが自分のディオの前に立ちはだかった

「やめなさい!ディオ・ブランドー」

そこに立っていたのはエリナだった。

私はすぐさまどくように、彼女の体に手を当ててどかそうとするが彼女は動かない。

(早く、退いて!!)

「どけ」

ディオの怒りが込められた声が響く、エリナは一瞬ビクッと体が跳ねるがキッとディオを真っ直ぐ見つめた。

「父親と違うと言うなら、今すぐ手を止めなさい」

(えっ!エリナさん・・・まさか。)

さっきまで熱くなっていた感情が一気に冷えていくと感じた。

すぐさまその口を止めなければとグッと力を入れて立ち上がろうとしたのがマズかった。

いつも頭にあった物がディオに殴られた事によってずれたらしく、立ったと同時にそれは落ちた。

私の目の前に・・・。









「ジョナサンは女の子よ!!」

そう言ったエリナの言葉と私からズラが落ちたのは同時で、ディオのその時の顔は見れなかった。

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