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「わざと泥で洗って自分の意志を示すのか!!そんなのつまらないプライドだ!!」

そう言って振り上げられたディオの手のひらは確実にエリナを狙って、振り下ろされたはずだった。

パシッ

その手はいとも簡単に現れた第三者によって止められた。

いつの間にか、エリナとディオの間に現れた人物に回りの人間は驚いた。

ディオにとってはいつも通りのいけ好かない笑顔。

エリナにとっては嘘で塗りたかられた虚像の笑顔。

二つの笑顔を持った一人の男、ジョナサン・ジョースターがそこにいた。

「「「「ッ!!」」」」

突然の登場に回りは驚く中、そんな事はまったく興味ないといった様子でジョナサンはディオだけを見て口を開いた。

『どうしたんだい?ディオ、君らしくもない』

そう言ってまたあの笑顔で笑った事が更に、男の機嫌を損ねた。

「『俺らしくもない』だと?フン、笑わせるな。お前、俺の事なぞ眼中にないだろう」

そう言われてキョトンとするジョナサン、その返答は以外だったらしく本当に驚いているとディオは理解した。

だけどその表情を見せたのはほんの一瞬ですぐにジョナサンはニッコリとまたニセモノを張り付けて笑った。

『つまらないプライドだって?』

それはディオがエリナに言った言葉だった

「そうだ」

ディオは堂々とした面持ちで返事をした

それを聞いたジョナサンは更に笑みを深めて笑う

『それは君も一緒じゃないか』

「なんだと」

誰よりも自分が侮辱される事を嫌うディオが眉根を寄せ、明らかな不機嫌を表す。

それを分かっているはずなのに、ジョナサンは相変わらず笑っていた。

『泥水で現れたぐらいで殴ってしま程のプライドなんだろう?』

「・・・・・・・・。」

黙ってしまうディオを見て、ジョナサンはほほ笑んだ。

『ディオ、君って奴は・・・・。』

そう言って、聖人のような笑みを浮かべるジョナサンはゆっくりとディオに近づいて、そっと彼の耳に耳打ちした。










『クズ野郎だね』

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