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「家政婦は見た」ばりの衝撃な光景を木の陰から見てしまいました。
バリバリバリと音を立ててエリナがディオの服を破って行った。
(激しいなぁ)
私も馬鹿ではない。あんな熱烈な空気に入るのは、野暮だろう。
しょうがない、ディオ。エリナの幸せはお前に譲るぜ。
そう勝手に脳内で解釈して、颯爽と去ろうとした時だった。
「君・・・・まだジョナサンとキスしていないんだろう?」
(・・・・?なぜそこで私が出てくる)
ハッ!!私たちが知り合う前からそんな関係でディオが私に嫉妬して今までの行動があったのか。
なんだそうかそうか、よかったアンパンフラグかと思っちゃったぜ
そう安心している時に聞こえた言葉に思考が止まった。
「初めての相手はジョジョではない、このディオだーーーー!!」
(うっわ!!ないわ〜)
ナルシストのドヤ顔の真正面の図を見てしまって、そう思うのは許してもらいたい。
つか、一々人を引き合いに出すんじゃないよ、あいつは変態か!!
そう思って、様子を伺っているとエリナは泥水で口を漱ぎだした。
(やっぱりエリナもドン引きしたんだ。)
態々、泥水でなくてもいいのにと思っているとディオの表情が怒りに染まるのを見た。
「この女!!」
そう言って怒ったディオは仲間の二人を突き飛ばし、エリナの目の前の立って手を振り上げた。
(まさか・・・。)
考えとは同時に体は動く。
嫌われてもいい。
もう二度と口を聞いてくれなくなってもいい
軽蔑されてもいい。
私は…。
パシッ
「「「「ッ!!」」」」
ディオの振り上げた手が、エリナにぶつかる前に手を受け止める。
瞬時に顔に仮面を張り付けて、いつも通りに笑った。
『やぁ、ディオ。こんな所でなにをやっているんだい?』
私は君を守れればそれでいい
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