5
屋敷の廊下を一人、歩いていると。
「ジョジョ」
その言葉に私は内心、ため息を吐いた。
この家で私をそう呼ぶのは二人しかいない。
一人は私の父とそして・・・。
『ディオ、君か』
彼しかいないのだ。
今日は彼は機嫌がいいらしい。
目に輝きを持って私に近づいてくる。
だいたい彼がこういう日には私によくない事がおこると相場は決まっているのだ。
だいたい人の部屋入って物(特に大切にしていない)を取っていくし。
なんか人の事ジッと見てるし。
ハッ!!まさかもう私の体に目をつけてるとか。
いやぁああああああああ!!
そう思っているとディオは口を開いた。
「ジョジョ、町のほうでボクシングの大会があるんだけそ。一緒に出ないかい?」
『えっ!!』
それってあれだろ、目に親指入れる奴だろ。
ネチッこい!!女みたいにネチッこい!!
想像するだけで目が痛い!!
『悪いけどえんりょ…。』
そこまで言ってディオの鋭い眼光を見てしまった。
ここでOKしねぇと眼球抉り出すぞゴォラアアア!!
と目が語っていた。
『もちろんさ!!』
「本当かい!!」
『僕たち、兄弟じゃないか!!』
(目に入れられる前に負けよう)
と、思っていたのに。
自分以外の人間から見たら負けてるよう見せていますが、実は手でガードしてます。
さぁ、目を入れられる前に倒れてKOで負けようと思った矢先ですよ。
彼の右手親指がもう臨界状態です☆
やめてッ!!咄嗟に反応しちゃうからやめて!!
迫りくる彼の親指を見ながら、体は咄嗟に動くもので。
ドゴォオ!!
横蹴り食らわせちゃいました。
『逃げよ!!』
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