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そして運命の朝は訪れた。

私は愛犬のダニーと話していた。

普通の人間から見れば、犬と話すなんて…と言われるが彼(ダニー)はとっとも賢いんだ。

『いいかい。ダニー』

「アウ?」

『今日から私にむやみに近づくんじゃないぞ』

「キューーーン」

なんとも情けない声に先ほど自分が言った言葉を訂正してやりたくなる。

『別にお前が嫌いってわけじゃないんだ。』

「?」

『お前を守るためなんだ。夜にはちゃんと遊んでやるからさ』

そう未来のダニーはディオに焼却炉に入れられてしまうんだ。

こんな可愛い私のダニーをそんな事にはさせんと。

動物愛護の精神が働いている私であった。

一人と一匹の約束が結ばれた瞬間の事であった。

「返して!!」

まだ幼い少女の声がジョースター家の屋敷に聞こえる。

そう言えば、小さい女の子をいじめる馬鹿共がいたっけ…。

そう思いながら立ち上がって、声のする方向へと向かった。



「「やーい!!泣き虫エリナ!!」」

近づいていけば、予想通りの光景が見えてきた。

馬鹿な二人が一人の少女をいじめている。

この時代は女性を下に見ているのがすごく腹立たしくてしかたがないのである。

イラッと来た私はズンズンとそのまま向かって言った。

背後から近づいて手にある人形を取った。

手にあるものを取られてやっと私の存在に気付いた馬鹿二人。

私の顔を見た瞬間、サッと顔を青くした。

…あぁ。そう言えば前回、子供をいじめていた時に遊んであげたんだっけ。

どうやら恐怖心を彼らに植え付けてしまったようだ。

反省、反省。

そう思っているとボス的な奴が私をビシッと指を指す。

「き、来たなッ!!JOJO!!」

『おい、噛んだぞ』

思わず突っ込んでみればヒィッと悲鳴を挙げて「おぼえてろよーーー!!」

そう叫んで去って行った。

何時の時代の悪だよ・・・・。

あ、今がその時代か。なんてバカな事を考えていると控えめな声が聞こえてきた。

「あの・・・。」

その声にハッと前を見ると、少女と目が合う。

手の存在を思い出した私は少女に人形を手渡した。

『はい。どうそ』

渾身の笑顔で人形を差し出せば、少女はバッと人形を取って走り去ってしまった。










『・・・・なんで?』

乙女心が分かっていないジョナサン・ジョースターであった。

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