23 君は何処までもまっすぐだ




それは承太郎たちがエジプトに向けて出発して数日後の事だ。

ポルナレフが仲間になったばかりの頃、ポルナレフはジョセフの腕をジッと見つめながら口を開いた。

「ムッシュ、ジョースターものすごく奇妙な質問をさせていただきたい?」

「奇妙な質問?」

ジョセフは首を傾げ何がらポルナレフを見た。

「・・・・・詮索するようだが、あなたは食事中でも手袋を外さない。まさかあなたの左腕は右腕ではあるまいな?」

「・・・・・・?左腕が右腕。左が右?確かに奇妙な質問じゃ。一体どうゆう事かな?」

そう言ったジョセフにポルナレフは目を閉じて思い出すように喋った。

「妹を襲おうとした男を探している。顔は分からないだがソイツの腕は両方とも右腕なのだ」

そう言ったポルナレフはの目に誰もが言葉を失った。

その決意の目に誰も余計な言葉を口に出来ずにいた。

ジョセフはゆっくりと自分の手袋をはずして見せた。

「五十年前の戦いによる、名誉の負傷じゃ」

それを見たポルナレフはホッとしたように、または残念そうに顔をゆがめた。

「失礼な詮索であった許してくれ」

ポルナレフはジョセフに頭を下げ、彼らに背を向け語りだした。

「俺の妹は・・雨の日学校からの帰り道をクラスメート二人で歩いていた…故郷フランスの田舎道だ。」

その思いでを辛そうに話し出した。

「道の端に男が一人、背を向けて立っていた。不思議な事に雨なのにその男の周りに透明の膜でもあるように雨がドーム状に避けて言った。」

ジョセフは目を見張ったそのような事が出来るのはスタンド使い以外何物でもないからである。

「突然クラスメートの胸がカマイタチにやられたように裂けた。そして次に妹が襲われそうになった・・・・。」

「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」」

その生々しい言葉に誰も言葉を発しない、異性の事であっても無理やり辱められるというのは心が痛くなるものだ。

ポルナレフはそこで言葉を切って、承太郎と花京院の方を見た。

「承太郎と花京院・・・お前たち日本人だよな?」

その言葉に二人はうなづく。

「女を探している。不思議な力を持つ日本人の女だ」

その言葉に花京院は首を傾げる。

「不思議な力・・・その女性と今の話が関係あるのか?」

「この話にはまだ続きがある。」

そう聞かれてポルナレフはまた語りだす。

「妹が襲われそうになった時、一人の日本人の女が現れたらしい。日本人にしては背が高くて目が青みがかった灰色の目をして女だ。」

それを聞いた時の承太郎の顔が一瞬強張ったが誰もポルナレフの話に集中して気づく事はなかった。

「その女が躊躇する事なく、男に飛び掛かった。」

「・・・・危険だ」

ポツリと漏らした花京院の言葉にポルナレフは頷いた。

「あぁ、危険だ。そんな能力を持つ人間はスタンド使いに違いない…でも女は男を気絶させ妹たちを助けた。」

その言葉に全員が目を見張る。彼らは自分たちがスタンド使いであるがゆえに、スタンド使いを倒す辛さを知っている。

それを倒すというのはさっきポルナレフが言った不思議な力に関係あるのだろう。

ジョセフが口を開いた。

「不思議な力といったな。それはスタンド能力とは違うのか?」

そう聞かれたポルナレフは首を左右に振った。

「それは分からない。妹が言うにはその女が男を蹴る時に一瞬だが足が山吹色に輝いたらしい」

それに反応したのはジョセフだった、彼は自分の手を軽く上げ見おぼえるある事をやった。

「こんなのか?」

ジョセフは手で波紋を練って見せた。

それを見たポルナレフは驚いた顔をして指を指した。

「それだッ!!妹と言ったのと同じだ。」

それを聞いて今まで黙っていた承太郎が口を開いた。

「なぜその女をわざわざ探す?」

「そりゃもちろん妹を助けてもらったお礼が第一だが…気絶させたと言っても相手はスタンド使い・・・いつか復讐しに彼女の元に行くんじゃないかと俺は心配になったからだ。」

それを聞いて承太郎は顔を強張らせたのを、祖父であるジョセフは見逃さなかった。

「承太郎・・・心当たりがあるのか?」

それを聞いたポルナレフはバッと承太郎を見た。

「本当かッ!!その人を知っているのか?」

必死で聞いてくるポルナレフに折れた承太郎は口を開いた。

「確かめねぇと分からないが、俺の知り合いに容姿の特徴が似ている…それにソイツも不思議な力が昔からあった。」

それを聞いたポルナレフの表情は一気に明るい者となり、目にはうっすらだが涙を浮かべた。

「やっと手がかりが見つかった…妹も喜ぶ。」

そう言って心から喜んでいるポルナレフ、花京院もなぜか嬉しそうにしていたが・・・二人だけジョセフとアヴドゥルだけは深刻な顔になった。

「それは危険だな・・・。」

「えぇ。」

そう言った二人に花京院は首を傾げた。

「なぜです?」

「その女性が勝った理由は奇襲をかけたからであろう。真正面からスタンド使いと戦ったら間違いなく負けるぞ」

承太郎の顔は険しくなる。

それを見たジョセフはすぐさま安心させるよう笑顔を孫に向けた。

「なに、ちゃんとSPW財団に連絡して彼女を保護してもらえれば大丈夫じゃ。承太郎、彼女の名前を教えてもらえるか?」










「綾部沙羅。俺の家の隣に住んでいる女だ。」

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