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それから数日後

私は今日も城で平和な一日を過ごしていた。

そう、今日もブラフォードとスージーQが喧嘩していたがそんなの気にしない。

タルカスは部屋の隅でいじいじしていても目に入らない。

メッシーナとロギンスが修行したいって熱い目で見られても無視無視。

だって私は・・・・・・・・。

『柱の男、怖い。怖い。怖い。』

50年ぶりのあの禁断症状が現れたからである。

布団を頭から被ってガクガクブルブルと震える姿は自分でも生まれたての小鹿かって思うほどである。

だがそんな事を言っている場合ではなかったのだ。

あの恐怖がッ!!あのネットリとした視線を向けられる悪寒がッ!!

私を再び襲ったからである。

いくら自分の波紋が送られたとしても、アッチも不死身の身。

私もいわば不死身の身である・・・結局出会うのは近いうちって話なのだ。

クソっ!!もとはと言えば、あの死んだくそじじいの遺言なんて聞くんじゃなかった。

ストレイツォにその座を無理やりにでも押し付ければよかったんだ。

そんな事を思いついた瞬間、本当にイライラが頂点に達した。

私は布団をはいで、空に叫んだ。

『ふざけんな、くそ爺いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!』
・・・・・・・・じじいいいいいいいいいい
・・・・・・・・ぃいいいいいいいいい
・・・・・・・・いいいいいいい





「どうしましたか?ジョナサン様」

落ち込んでいる筈のジョナサンが下りた来た事にも驚いたが、なによりタルカスが驚いたのはジョナサンの背後というか背中に背負っている大荷物を見ての発言だった。

彼女につかえて数十年という月日を過ごしているが、こういった行動をされるのは初めてだったタルカスは首を傾げていた。

そんなタルカスの言葉を聞いて、城の者達は全員がジョナサンを見てタルカス同様に首を傾げたのであった。

そんな大勢(といっても5人なのだが)の注目を集めたジョナサンは堂々と高らかに宣言したのであった。

『私は旅に出るッ!!探してくれるな!!』

そう言うのは置手紙で書く言葉じゃないのか?

そこを律儀に言って出て行こうとするのはジョナサンらしいなと何とも呑気な考えをタルカスが持っている中、スージーQは言った。

「分かりました。ジョナサン様…夕食までにはお戻りください」

主の突然の失踪宣言に一番狼狽えるであろう彼女は涼やかに、和やかにそう言った。

それを聞いたジョナサンは驚く様子もなく、ただコクリと頷いた。

『・・・・・・・・・・うん。じゃぁ』

バタンと城の重々しい扉があっけなく彼女の手で開き、重々しく閉じたのであった。

そして城の者達は各々の仕事に戻ったのであった。







『おじさーん、ジェラートのミルクとピスタチオとチョコとバナナとイチゴを頂戴』


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