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『うーーーーーーーーーん、どうしたものか。』

どうもみなさん、開口一番から失礼。

でも私、とっても悩んでいるんです

この前の暗殺事件で屋敷の人間のほとんどが私の敵になったから全員クビにしてやりました。

処分はウォルターに任せたのだけど、そんな彼と一緒にアーカードが楽しそうについて行ったので安否は未だ不明です。

怖いので聞きたくありませんでした

そう、そんな事で発生したのは圧倒的な人員不足です。

困った、本当に困った。

「どうした?マイ・マスター」

私、一人しかいないはずの部屋なのに不意の声が降ってきた。

『アーカード…私の部屋に入る時はノックをしろと言っているだろう。壁から出るな壁から』

もう驚く事は無くなって、何度も繰り返すこの会話にも慣れたものだ。

部屋の壁から現れたアーカードを見ながら私は睨むが、彼は私の発言に完全無視のようであった。

しょうがないと思いながら大きなため息を吐いて、彼の質問に答える事にした。

『知っていると思うけど、ヘルシング機関は絶望的な人員不足でね』

そう言うと彼は「ふん」と鼻で笑って、不愉快そうに答えた。

「人間の手を借りずとも、グール共なぞ私がやればいいだろう」

『その点は心配してない…むしろアーカードを信頼しているよ。だけど、ウチの機関には敵が多いんだ。夜ならアーカードに任せられるけど、昼間はどうしようもないだろう?』

「確かに昼間は寝ているが、主のオーダーなら私は従う」

『いくらオーダーって言っても、太陽の光を浴びたら死ぬんだろ』

「死にはしない。ただ目が太陽に弱いだけだ」

『へー死なないんだ。すごいねー。・・・・・・・・・・ん?』

山を気づきつつある大量の書類を片付けながら聞いてると、あれ?なんか今、すごい重要な発言を聞いた気がする。

思わず、手を止めてしまいアーカードを見た。

『え?太陽の光を浴びて死なないの?』

「そんなのは下級のヴァンパイアの話だ。私は違う」

『下級・・・・』

脳内でもう二度とは会う事のない奴を思い出した。

あんなに威張っていて、最恐じゃね?とか言ってたのに・・・・。

下級呼ばわり

ブフッ!!

フフフ、ハハハハハハハハハハハ!!!

最高に面白いじゃないかぁ!!

と、内心大爆笑の私であった。

『へ、へーーーーーー』

その様子を一切表に出さないようにと情けない声が出た。

私のようにを怪しむアーカード。

ここで深く追求されるのはマズイと思いながら、話をそらさせる話題を考えていた
コンコン

「失礼します。お嬢様」

ナイスだウォルターーーーーーーーー!!

今ならお前が超絶のイケメンに見えるぜ

「お嬢様。人員補充の件ですが、アイランズ様が信用と骨のある者を送ってくださるそうですよ」

その言葉を聞いて、クワッと目を見開いて立ち上がった。

『やったッ!!このままだったら、私とウォルターとアーカードで面接試験しなくちゃいけないなと思ってた所だったんだ!』

「それは、アイランズ様に感謝しなければいけないですな」

心底嫌そうな顔をしたウォルターと面白そうに笑ったアーカードを見て私は笑った。









『さぁ、忙しくなりそうだ。』


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