15 私はお姉さん
可愛すぎるッ!!
お土産が好きな海の生き物シリーズと知った時、僅かにほほ笑んだその姿を見た瞬間。
思わず抱きついてしまったのは悪くないと思っている。
だってあんな強面な人がフッと笑うだけで、破壊力抜群なのにアンジェだよ!
百倍以上の可愛さだよね。
まぁ、アンジェに鋭い眼光で睨まれたけど。
そんなんじゃ、私は負けませんよ。アンジェ
ニヘニヘとだらしない顔で笑っているとビシッとでこピンされてしまった。
『あたっ!』
「・・・・・・・・。」
『・・・・・・・・。』
「・・・・・・・・。」
『・・・・・・・・。』
「・・・・・・・・・・・なんだよ」
『アンジェを見てるだけ』
「・・・・・・・・。」
パチン
『あたっ!』
またでこピンされた。
「あらまぁ、こんな時間。承太郎、沙羅ちゃんを駅まで送ってあげなさい」
両親との約束の時間が近くなり、そろそろ行かなくちゃいけない時間に聖子さんが気づいて声を上げた。
あぁ、そういえばそんな約束があったとアンジェの前では霞んでしまう(ヒドイ)両親のことを思い出した。
『いえいえ、もう時間は遅いですからいいですよ』
オトナの余裕で断れば、アンジェはムスッとした表情で私を見た。
コテンと首を傾げてなにか気に障るような事を言っただろうか?と思っているとアンジェはスクッと立ち上がって行った。
「いつまで俺をガキだと思っていやがる。お前ぐらい…遅れる」
そう言われて、キョトンとしてしまう。
フフ、子供扱いされて不機嫌になるなんて一丁前になったもんだと
ほほ笑んでみていると、更に不機嫌になって私のほっぺをムギュっとつねった。
『いふぁい(いたい)』
「・・・・・・・・フン。行くぞ」
自分で私の顔を崩したくせに、鼻で笑ったアンジェは満足したのかパッと手を離して去って行った。
「あらあら、承太郎ったら」
そう言った聖子ちゃんとお互いに笑い合って出かけた。
まだまだ子供だね
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