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しまった!!先着2名なんて言わなければよかった。
この二人・・・。
「何を言いますかッ!!ジョナサン様のお好みはこれです。」
「お前こそ、何を言うかッ!!ジョナサン様の好みはこちっだ。」
二人の仲がそこそこ良くないと言う事だ。
私は観光したいのに、二人はずっとイタリアブランドの前で止まっている。
それはスージーQが「あれ、ジョナサン様にとてもお似合いになりますわ。」と言ってくれて、嬉しくて『ありがとう』と言って頭を撫でていたら、なぜかブラフォードが対向して何やら変な店の服を私にと持ってきて、それでいつも通りの喧嘩が勃発したのであった。
かれこれ30分、どうせあと20分はこのままだろうとたかをくくってコーヒーを飲みに行ったのであった。
『・・・ん?』
コーヒー屋途中にあった裏路地に不穏な空気が流れているのに気付いて足を止めた。
いや、普通なら無視して通り過ぎるのだろうが少年がそこにいたのが目に入って足を止めた。
明らかにヤバゲな男と一緒にいるのはジョセフよりは少し年上ぐらいの男の子であった。
今から喧嘩始まります的な感じであった。
そして・・・。
一発目、少年のレンチアタァアアアアアアック
アレは痛いぞ!!
『最近の喧嘩は怖いな。』
と感心しながら見ていると、少年はレンチを捨てて今度は素手で殴った。
・・・・・・・・・・・・あ、波紋使いなのね。
本人は気づいてないようだけど、あれは波紋だ。
そう思っているうちにヤバゲな男はぶっ倒れた(あれは当分目を覚まさないな・・・。)
「ヒィッ!!」と倒れた男の部下っぽい奴らは悲鳴を上げ、腰を抜かしたらしい。
それを見た少年はニィッと笑ってレンチを拾った。
(あ、無抵抗の人間にそれはいただけないわ。)
私はその場から一歩、少年にむかって歩き出した。
『フゥー。』
頬杖をついてため息を吐いた。
もちろん、少年の上で・・・。
あの後、レンチで殴る体制になっていた青年の隙をついて裏軒をぶちかまし気絶させたのであった。
で、その間に男達を逃がさせて『さぁ、コーヒーでも飲むか』と思った瞬間に男が起き上がった。
もちろんブチ切れ状態でレンチ振りかざして背後から殴りかかるもんだから、咄嗟に手が出てしまって…頭を手で鷲掴みして、そのまま地面とキスさせてしまっていた。(波紋入り)
完全にのびてしまった青年に罪悪感を覚えながら、ちょっと落ち込んでいるとブラフォードとスージーQが私を迎えに来た声がする。
・・・・・・・・・・・・・まぁ、数時間で目が覚めるだろう。
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