7 Q.面白いっておもうことはなんですか





終わってしまえばあっという間の10日連休はすぐに終わってしまった。

美咲の合格祝いを兼ねて行った温泉満喫良好は至福の時だった。

この数か月に溜まりにたまった疲れを一気に温泉が流してくれた。

いつも私に迷惑かけてくる秋彦だが、その旅行の間だけ感謝していた。

今日は仕事の復帰日。

新しい編集長さんの事は心配だったが私の所に連絡がないって事は特に心配することがないのだろうと。

自分のいいほうに考えている。

決して、みんなが電話するほど暇がないとかそんなんじゃないと思いたい…たぶん。

久しぶりの会社にお土産を持って現れれば「お帰りなさい」と笑顔で迎えてくれる同僚たち。

途中で文芸部の方によってお土産を渡して行って、4階のエメラルド編集部へと向かった。

『・・・・・・・。』

どうやら嫌な予感は当たったらしい。

生ける屍となっている3人の姿を見て思った。

編集長の席を除いてみれば、大量の資料に囲まれて認識できなかった。

取りあえず、床で気絶している木佐でも起こすかと思って彼に近づいた。

『木佐、木佐。起きろ』

「・・・・・・・・・・・。」

肩を数回叩きながら声をかけるが、返事がない。

(仕方ない)

スゥッと息を吸って口を開けた。

『さんッ!』

その言葉にピクッと手がかすかに動いた。

『にぃー!いーt「はい。起きます!!」

いちと言う前に木佐が綺麗に飛び起きて、直立で答えた。

これは私の訓練の賜物だなと感心しながら木佐と目を合わすと彼の目が大きく開かれる。

「・・・・・・・綾部さん?」

木佐が私の名を口にしたら、美濃と羽鳥も反応して顔を上げた。

二人も私の姿を見たら、綺麗にバッとその場に立ち上がった。

そんな姿に内心笑いながら、お土産をズイッと前に差し出した。

『ほら、お土産』

そう言った瞬間、目の前の木佐がぶわッと泣きだした。

「綾部さん、やっと来てくれたんですねぇええええええ!!」

『うわッ!!』

私の足にしがみ付いた木佐に若干怯えながら、木佐を見た。

どうやら相当くるしかったらしくガチ泣きしている。

たとえ新任の編集長だとしても、ある程度下準備していたのだ。

なにがこんなに追い込まれているんだろうと思っていると…。

「うるせぇ!!」

声がした方を見れば、そこは編集長席だった。

第一印象は若いだった。

こんな若い人だったんだと思いながら彼を見ていると自然と目があった。

「誰だ。新しいバイトの子?」

そう聞いた編集長に木佐はあわてて返事をしようとする。

「高野さん!この人は前のい“ッ!!」

木佐が言う言葉をわざと足を踏んで遮った。

涙目で私を見る木佐を無視して私は言った。

『前から何度かバイトさせてもらっています。高橋です』

そう笑顔で言った。









A.今まさにそう

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