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目をパチリと開けば、殿下の顔が見えた。

『・・・・殿下?』

殿下は私と目が合うと、ほほ笑んだ。

「よかった、アントワネット。本当に良かった。」

そう言ってイケメンスマイルの殿下を見ながらボーっとしていた私はハッと気が付いて体を起こした。

『ここは?もうベルサイユに帰りましたか?』

そう言った私に殿下は苦笑いをなさった。

その顔が不思議で首を傾げれば、陛下は私に手を差しだした。

「さぁ、行こうか。アントワネット・・・。」

『・・・・・はいッ!!』

私はその手を笑顔でとった。




殿下と共にバルコニーに立った瞬間、言いようもないどよめきがたった。

ワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

人々の声と共に拍手の音が聞こえ私は見た。

国民が笑顔で私と陛下を見ていたのだ。

「アントワネット様!!」と国民が私の名前を呼ぶ声が聞こえる。

これがフランス国民なのだ、私の・・・アントワネットのフランスなのだ。

それを見た瞬間、ゾワッと全身に鳥肌が立つ。

領主の時とは違う、国を背負うとゆうのはこういう事なんだと改めて実感させられた。
自然とドレスと掴む手に力が入る。

目に映る人々の顔のをちゃんと見る。

これを私は守るのだ、私はこの人々を・・・アントワネット様も殿下もすべて守るのだ。

『殿下・・・。』

静かな声は殿下に届くだろうか?

だけど殿下の耳にはちゃんと私の声が聞こえていて、殿下は「なんだい?」と聞き返した。

『私はここにこの日に、殿下に、そして国民に誓います。』







『絶対にこの国を豊かにします。』

そう言ってアントワネットは密かに決めた決心の中、国民に相変わらずの笑顔で手を振った。

そして何人かは気づいただろう、その瞳の奥に強い意志があったことに。

それを気づいたものはもう、何も言えなくなってしまった。

気高い姿の美しさを知った者は、アントワネットをただ見つめるしかなかった。

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