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『はぁ〜。』

叔母様たちのデュバリー夫人に対する思いは相当なものだ。

かれこれ何時間喋ったんだろうか・・・よくまぁ、あんなに一個人に対しての愚痴がよく出るものだ。

嫌いなら無い者として扱えばいいではないか、それをわざわざ相手するからあぁなるのだ。

それは叔母様たちにもデュバリー夫人に対しても同じである。

あの人は私が嫌いなら嫌いとやっておけばいいのに、一々なんで私に話しかけろアピールをするのだ。

別に私話しかけたいとは思わないし、あの人本当に香水キツイんだもん。

吐くよあの近くは・・・。




コンコン

部屋をノックする音に私はダランとした意識をハッとさせて、すぐさまお姫モードに入り姿勢を正した。

『どうぞ』

「失礼します。」

聞き覚えのある声に私は力を抜く。

そこに立っていたのはハルトで私が気を使って姫様を演じなくてもいい貴重な人である。

私はニヒャリと間抜けな笑みだろうが、笑ってハルトに行った。

『ハルト、どうしましたか?』

そう聞けばハルトは立ったまま私に向かって口を開く。

「アントワネット様、あの方の情報はなかなか入りにくいのです。」

そう言ったハルトの言葉に私はやはり姫の顔になる。

『そうですか・・・やはり、オーストリアの者だと入りずらいのですか。』

どうしようかな?オルレアン公の事もっと探りいれたいのに、何分ハルトはオーストリアの騎士だ。

しかも彼がこの国に居るのはごく一部の人間しか知らない。知っているのはアントワネットの転落事故を知るごく少数の人間だ。

私はソレを利用して、いろいろと探りを入れようとしたのだが・・・やはり限界があるようだ。

そもそもハルトは隠密向きじゃない、彼は国を王族を守る騎士なのだから・・・。

「それで、王太子殿下と相談したのですが・・・」

『王太子殿下と?』

なぜそこで王太子殿下が?と思っているとハルトは話を続けた。

「私は今日から、オーストリアの騎士ではなく。パリ留学のスウェーデン貴族としていろいろ探ってみるつもりです。」

あぁ、なるほど。その証明を王太子殿下がしてくれるのか・・・それに貴族という名前が付けばこのベルサイユ宮殿では何かと動きやす・・・・・・・いし。

あれ?なんかパリ留学のスウェーデン貴族ってどっかで聞いたことあるようなフレーズが・・・。

私は何か嫌な予感がしてハルトに聞いてみた。

『ハルト、貴族になるとゆう事は名前があるのですよね?』

「はい。畏れ多くも殿下から名前を頂きました。今日から私はハンス・アクセル・フォン・フェルゼンです。」

やっぱりか・・・。

いや、前から思ってたんだ。成長するハルトの顔を見てさ・・・あれ似てね?って何度も思ったさ。

でも彼は北欧人だし、オーストリアと何の関係ないよねって思ってたのに、ココで来たか。

どれ程原作変わってんのこの世界と私は頭を抱えた。

本物のフェルゼンが私の目の前に現れたら、追っ払ってやろうと思ったのに。

お前の入るすきなんて、アントワネット様と王太子殿下の間にはないんだ。帰れ!!的な事を言ってやろうと思ったのに…残念。

まぁ、いいか。

私はハルトもとい、フェルゼンを見た。

またこの顔でベルサイユの貴婦人でも誑し込むんだろうな。

なんか貢がれそうだな・・・その時は売り払って国の財政の足しにでもしようと計画中である。

フェルゼンは私の視線に気づいて頭を傾げていたが私は変わらず彼を見て笑った。










一応、別世界での愛人設定でしょ。

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