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「お久しぶりでございます妃殿下。」
聞き覚えのある声に目を向ければ、数日前に見た姿がそこにあった。
『オスカルッ!!お久しぶりですね、それとアンドレも・・・』
私がそう言えばアンドレは驚いた様子だ。
「私の名前をご存じなのですか?妃殿下」
そう言って信じられないとした顔のアンドレを見て私はおかしくて笑ってしまった。
『もちろん、今日のパーティーの出席者名簿には目を通しているもの。誰が出ているかちゃんと把握しているのよ。わたし』
そう言ってエッヘンと言った感じで言えば、アンドレも笑った。
『オスカル、馬を見せてくれるとゆう約束は忘れていませんよね?』
私がそう聞けばオスカルとほほ笑んで答えてくれた。
「もちろんでございます、妃殿下。」
よっし、暇が出来たら遊びに行く事にしよう。
あっ、そうだせっかくオスカルがいるんだから。
『オスカル、もしよかったら今度ハルトの剣の相手をしてあげてください。』
そう言えばオスカルは誰だか分からない様子だ。
「ハルト・・・」
『私の国の者です。一応、国一の剣の使い手なの…怠けないよう相手をしてあげてください』
そう私が言えばオスカルの目がキラッと光りを持ちながらうなずいた。
強い相手には戦いを挑みたくなるってのが男ってものよね。
私とオスカルたちで楽しく話していると、きつい香水の香りが漂って顔をしかめそうになる。
オスカル達は違う意味で顔をしかめてる。
彼らの視線の先の人物を見て・・・。
「初めまして、アントワネット様」
声の方を私が目を向ければ気の強そうな美人がそこに立っている。
(あぁ、アントワネット様が一番嫌いなタイプの人間だ)
オスカルは顔には出さないが、険悪なオーラが体からにじみ出ている。
「私、デュバリー伯爵夫人でございます。」
(彼女が・・・国王陛下の妾の人)
『はじめましてディバリー夫人』
私がそう言えば、彼女はニヤッと私を見下した笑みをする。
「フフフ、オーストリアから来た王族と聞いてどんな方と思えば・・・ずぶん地味な服を着てらっしゃいますね。フフ、だけどあなたによーく似合ってらっしゃる。」
「デュバリー夫人ッ!!アントワネット様に失礼ではないかっ!!」
オスカルは私よりも夫人に対して怒りを持ってくれている。
(やはり彼で決定かな・・・・。)
目の前のデュバリー夫人よりも私はオスカルについて考えていた。
私と王太子殿下には味方は少く、信頼できる人物はごく少数である。
二人の意見があったオスカル・フランソワ・ジャルジェは信用似たる人物としてここで決定したのである。
(もちろん漫画を見たとゆう偏見は抜きにしている。)
彼の忠誠心はきっとアントワネット様、王太子殿下の助けとなるだろうと私は判断した。
よし大体の要注意人物はチェックしたし、いい人材も何人か見つけたし…あとは。
私は目の前のデュバリー夫人を見た。
少し相手をして差し上げましょうか・・・・・・。
『国王陛下のお妾を聞いてどれ程のお方かと思えば・・・・・・・。』
そう言ってハッキリとはモノを言わず私は「ふー」とため息を吐いた。
「な、なにをッ!!」
デュバリー夫人のぎらっとした目線が私を見るが、はっきり言って何も怖くない。
私は民を苦しめるあなたは嫌いだ。
確かにあなたはすごい、この時代女の身でありながら政治に関与できるその影響力。女の武器を最大限に使うその意志。あっぱれだと思う。だけど・・・。
民を苦しめるその傍若無人ぶりは私は決して許さない。
貴方は間接的な殺人者だ。
そのドレス一着でどれ程の人間がパンを食べれなくなるか・・・。
その宝石たちで何人の子供が飢餓で死ぬかあなたは一度見ていくべきだ・・・。
自分がのし上がったその高見は死体の山で出来ているとゆう事に・・・・。
私は真っ直ぐに彼女を見つめる。
デュバリー夫人はそれだけで後ずさる。
それは負けを意味しますよ、夫人。
どう思いながら口を開いた。
『人の会話中に入ってくるなんて、不躾じゃなくて?』
「それは・・・・」
『私たちの行動の一つ一つが国王陛下、王太子殿下の品位を下げる事を肝に銘じたほうがいいわね・・・・お互い。』
そう言えば、デュバリー夫人と回りの人間は驚いた表情をし。
デュバリー夫人は顔を真っ赤にして目を吊り上げてまるで鬼のよう。
私はニコニコと笑みを向ければ、その場からそそくさと去って行った。
あら、案外弱い。
もっと宮殿のドロドロとした戦いが繰り広げられると思ったのに・・・。
まぁ、今度真正面からの手出しはしないだろうと思う。
でもまぁ、一つだけ言っておこう。
『香水、キツイすぎるのよ』
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