7 人生の脱線はダメ絶対!!





今日は週に一回の空条家のお泊り日である

私の両親は週に一回だけお互いに仕事で家にいられない日があるのだ

そんな日に私はお隣の空条家のお世話になるのであった。

普通は不安がるだろうけど、脳内年齢がピー歳の私にとってはそんな事どうでもなく、むしろアンジェと一緒に過ごせてラッキーぐらいである。

学校が終わってスキップルンルンで帰っていると、周りの男子たちが恐ろしいものを見るかのように私を見ていた

普通なら一睨みでもやる所だが、私は今日は機嫌がいいので今日の所は見逃してやろう。

そう思って空条家の玄関の扉を開けた。

『ただいまです!』

最初は『お邪魔します』と言ってたのだが、聖子ちゃんに「ただいまって言ってちょうだい」との事なのでお泊り日の時だけ『ただいま』と言うのだ。

私が声を上げるとドタドタと廊下を走る音が聞こえて自然と頬が弛む

「さーちゃん!!おかえり!!」

玄関から見える角から姿を現したアンジェの姿に私はバッと両手を広げれば、アンジェは真っ直ぐにこっちを向かってきて、その勢いのままに私に飛びついた。

熱烈歓迎を受けて私はそのままアンジェを抱き上げて、空条家にお邪魔したのであった。




それは夕食後に起きた事件である。

「ねぇ、さーちゃん。#あだ名#!!」

『なぁに?』

聖子ちゃんの特性オムライスを食べたアンジェは見事に口のまわりがケチャップだらけだったので、ティッシュで口を拭いてあげてるときの事であった。

何やら興奮気味に話しかけてくるアンジェに首を傾げながら聞き、その後の返答に手がピタリと止まった。

「僕が大きくなったらさーちゃんが僕のお嫁さんになってくれる?」

『へ?』

「まぁ!!」

私が間抜けな言葉を返した後ろでは、なにやら聖子ちゃんが興奮した様子でいた

「よく言ったわ承太郎!!」なんて後ろで褒めているが、私の脳内は混乱中である。

今、アンジェもとい空条承太郎はなんと言ったかな?

お嫁さん?誰が?私が?誰の?アンジェの?

そう思った瞬間、もちろん真正面から言われた事の恥ずかしさもあったが

ある一言が私の思考を全停止させた。

「ショタコン」

そう、私と承太郎の年の差は外見だけでは二歳差でも、精神はピー歳差なのだ。

そんな齢数年の少年と結婚なんて、はっきり言って犯罪だろうが

そう思っていると不安げな顔のアンジェが目の前にある

「だめ?」

うるうると涙が貯まっているその瞳を見て『ウッ!!』と胸を締め付けられる思いである
そんな私の様子を見た聖子ちゃんが「頑張って承太郎!」と息子を励ましているが、本当にやめてほしい

ここで「ダメよ」と言って軽くあしらうのが正しい選択なのだろうが、目の前のアンジェの悲しむ顔だけは絶対にだめだ。

しかし、幼気な少年を騙すなんてもっとだめだ!!

そうやって思考はグルグルと周り、混乱した私は『うん』と言ってしまったのがダメなんだと思う。

「本当!!」

まぁ。アンジェの喜ぶ顔が見れたし、それに小さい頃の記憶なんて大きくなるにつれて忘れるだろうと思って私は

『じゃぁ、承太郎が18歳になってまだ私が好きだったら結婚してあげる』

とそう言った。18歳なんて思春期の真っただ中でいろんな女性に目移りする時期だろうと思ってわざとこの年齢にしたのは確信犯だと自分でも思う。

喜んではしゃいで部屋を飛び出すアンジェを応用に、腰をあげると聖子ちゃんが口を開いた。

「さらちゃん。油断しないほうがいいわよ」

そう言った聖子ちゃんに私は首をかしげる。

『なにがです?』









「あの子、やると言ったらやるわよ」

そう言ってほほ笑む、聖子ちゃんの顔が私の脳裏から離れることはなかった。

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