6 その拳が凶器だと君は知るべきだ




アンジェをイジメル奴らをちぎっては投げ、ちぎっては投げをを繰り返ししていると、それを聞きつけた両親は私を空手道場に通わせた。

母曰く、「寸止めを覚えなさい!」らしい

普通は止めるんじゃないかって他人の予想を斜め上を行くのが両親の良いところであると私は思う

そんな訳で私は空手道場に週一回だけ通う事にした

そして、師匠の進めでしぶしぶ出た大会で勝ち進み、全国を制覇したそんなある日の事。

「綾部。練習が終わったら残れ」

空手道場の師匠に言われ、私は練習後に一人で残った

何の用だと師匠の元に行ってみれば、真剣な面持ちでそこにいた

『なんですか?師匠』

師匠は私に拳を突き出した。

「お前に技を授ける」

『技?』

なんだ?師匠の考えた新技かな・・・。

時々、この人は新技を考えてはまず私にやらせる

『なぜ自分でやらないんですか?』と聞いた所「俺、けがするの嫌だし」

ふざけんなよ!!と何度脳内で怒鳴ったことか。(たまに口から出たけど)

また、ふざけた技だろうと思ったが今日の師匠はどうやら何か違うと私は察知した。

師匠は神妙な面持ちで拳に視線を向けた。

その視線に釣られるように私も師匠と同じ所を見る

そして…。

ポォオ

『・・・!!』

師匠手が自然と光だしたのを見て私は驚くよりも先に「やはりな」と考えていた

前々から、人間じゃないと思っていたがやはりそうであったかと一人納得していると

「お前、絶対に変な事考えているだろう」

「だろう」と口にしているのに、疑問形ではないその問いに私はムッとする

師匠は私の不機嫌に気づいたのか少し苦笑いして言った。

「お前にも見えるだろう?この光を・・・」

『・・・。』

無言でうなずくと師匠は満足げに笑った

「これは波紋を練っている」

『波紋?』

なんだそれはと思っていると師匠は先ほどのように真剣な顔で私を真っ直ぐ見た。

「これを俺はお前に授ける。俺の一番の弟子であるお前のこれからを思って…。」

(師匠…。)










『いや、アンジェと遊ぶんでいいです。』

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