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「サラ、この国を見てどう思う?」

『えっ!』

突然の陛下の言葉に私はアントワネット様へ書く手紙の手をとめた。

そんな事を王太子陛下に言われると思ってなかった私は驚いた。

王太子陛下は真っ直ぐと私を見つめ、はっきりと言った。

「素直にいってくれないか、サラ。私はあなたの答えを聞きたいのだ」

私は真っ直ぐと王太子陛下の目を見返し、何も隠さずに言った。

『このままだと、遅かれ早かれ国民は怒り狂います。』

「・・・・・・・。」

『私はここに来るまで、フランスの領地を見て回りました。』

『税も重く、平民はその日のパンを稼ぐのにも必至。子供が病気でも医者に診せるお金がない。酷い地方では泣く泣く、子供を捨てる親がいるのです。』

「・・・・・・・。」

『子供たちはまるで・・・』

そう言って言葉を止めて、あの日あったあの子を思い出し心が居たくなった。

そんな私を王太子陛下は急かすことはせずにだたじっと私を待ってくださった。

『まるで・・・死ぬために生まれたようです。』

目から涙が零れた。

こんなことは絶対にあってはならない、あってはならない事だ。

私が涙を流していると、王太子陛下は私よりも泣きそうな顔で私を見た。

「すまない・・・サラ、本当にすまない」

そう言って私の涙を手でふき取る王太子陛下・・・。

「私には力がない。王政と言ってもそれは建前で貴族達が王族を・・・父を操り、税を上げて自分たちの贅沢に使っているのだ」

そう言って誰よりも辛そうにする王太子陛下、目の前に起こっている事を止められない自分が悔しいとゆう気持ちは私にもよくわかった。

私はその場で立ち上がり、陛下に手を差しだした。

陛下は私を見上げている・・・。

『陛下、私はここに来る途中に不思議な少年に出会いました。』

「不思議な少年?」

不思議そうな顔をする王太子陛下、私は瞳を閉じてあの少年を思った。

『・・・・その子は私の目の前で死んでいました』

「ッ!!」

王太子陛下が息を飲むのが分かった。

『でもその子が言ったのです、死んでいるのに…私に恨み言一つ言わずただ「もう僕のような子を作らないでと・・・」』

「ッ!!」

私はもう一度陛下に手を差しだした。

『王太子陛下、私たちには国を国民を救う、その力があるのです。』

「・・・・・・・。」

『王太子陛下どうかお願いです。私と一緒に国を民を救うを仰ってください。

もう誰も死なないように、死に行く者達が生きる者の心配をしなくてはいけない時代など作ってはいけないです。

皆が幸せな国を作るべきなのです。

貴族達が貴方を操ろうなら私が食い止めます、あなたを苦しめようなら私が排除します。

だからお願いします陛下、私と一緒に救ってください。子供たちを、そして・・・アントワネット様を』

「・・・・・・・。」

『貴方たちと民を救えるのなら、私は命をかけると誓います。』

お願いです、陛下・・・この手を取ってください。

祈るような私の気持を込めて全神経を手に集中した。

そして陛下は私と同じように立ち上がった。

「貴方はまるで絵本に出てくる騎士のような方だ・・・。」

そんな事を言われて私は驚いてしまう。

『へ?』

陛下はニッコリと笑みを作って私の手を取った。

「私も約束しよう、サラ。私は貴方と国、そしてアントワネットのためなら命をかけると・・・」

そう陛下は私の手を握り祈るようにした。

そう言った陛下の姿こそ、騎士のようだと私は思って笑った。








幸せを願うその騎士の名は・・・。

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