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お願いです、どうか・・・。

どうか、あの子を御救いください。

奴らが作り出した運命はあまりにも強い。

僕にはどうしようもなくなってしまった。

だけど、あなたなら・・・。

お願いです。どうか、どうか・・・。




アラジンを御救い下さい。

我ら・・・・・・・・・の主よ!!




ジュダルとアラジンの戦いが激戦に向かって言った。

アラジンのジンであるウーゴくんがジュダルの魔法により体を貫かれてから、形勢はジュダルよりになっている。

それを知ったシンドバット達がジュダルを止めに入ろうとするが、金属器を奪われた今となってはジュダルに対抗できる人物はいないのだ・・・たった一人を除いては。

ジュダルは周りのしつこさに苛つきだし、杖をシンドバット達に向けて魔法を放った。

そして吹っ飛んだシンドバットを見てニヤッと嫌な笑みを浮かべた。

これで邪魔者は居なくなった…そんな笑みだった。

「誰も邪魔すんじゃねーよ。俺は「マギ」どうしで思う存分戦ってから、このチビをぶち殺してやりてーんだからよ!!」

そう言って狂気の笑みを浮かべるジュダル。

誰もがその恐怖に体が動かないときに、「殺す」という言葉で体が反応した人物がいた。

ピクリとわずかに指が動き、そしてゆっくりと起き上がった。

誰もがジュダルに集中していてその存在に気付かない。

起き上がった人物は未だに目を閉じていると言うのに、まるで見えているようにジュダルがいる方向に顔を向けて瞳を開いた。

一番最初に視界に入ったジュダルを見て、目を細めた。

そんな人物に気付かない、ただ目の前の自分と同じ存在にしか興味がないジュダルが一歩、アラジンへと近づこうとした瞬間だった。

バチンッ!と音が鳴った。

ジュダルは足を止めて音がした方を見た。

そこには知らない男が自分を殴ろうとして、ボルグで止められている所だった。
ジュダルはあきれ顔で言った。

「うぜー。」

そういって杖を男に向けようとした瞬間だった。

『割れろ。』

そう男が静かに言った瞬間だった。

バリン!と音をたててジュダルの結界は崩れて行った。

「なにッ!」

そう言ったジュダルの目の前にはもう男の拳が目前に迫っていて、そして・・・・。

ドゴォ!!

殴った。

創生の魔法使いと言われるマギを殴ったのであった(グーパンです)

結構な威力だったのか、数メートルは跳んだジュダルはバッと起き上がり、男を見た。

その表情は驚愕と恐怖が混じったものであり、男を指さした。


「お、お前ッ!何をした?金属器なしで俺のボルグを破るなんて普通じゃない。」

そう叫ぶジュダルを視界に入れた男はニィッと笑みを作って、ジュダルに一歩、一歩と着実に近寄って行った。

もう目の前の人物に恐怖心しか抱けないジュダルはビクビクと震えだした。

ジュダルの目の前に立った男は口を開いたのであった。

『そこに正座しろぉおおおおおお!!』

は?と皆の気持ちは一緒だったと思う。

周りが付いていけない空気のなか、言われた本人であるジュダルはすぐさま正座をしたのであった。

『お前な、限度ってもんがあんだろ?喧嘩したいお年頃ってのは分かるよ・・・でも魔法はあかんだろ。男なら拳と拳て熱く語りあえ!!』

へ?

「はい!」

えぇ!!

意味の分からない発言をする男にも驚くが、真面目に言う事聞いちゃうジュダルに皆が驚きっぱなしである。

それから男は今までたまっていた鬱憤を話すように、マシンガントークを繰り出した。

『まったく近頃の若者ってすぐ気に入らなかったらやれ喧嘩だ、やれぶっ殺すだの我慢がきかないんだよ。これだからゆとり世代はとか大学生になった瞬間に先生にネチネチと言われるわけさ、知るかって感じだよね。そもそもゆとり世代に賛成したからこうなったんだろが、俺を見て失敗作みたいな悲しい目でみるなよあのくそ教授!!』(100%管理人の私情)

とかなんとかグチグチとジュダルに説教を述べている姿に皆が唖然としているが、それを見てカシムは妹と喋っていた。

「ねぇ、兄さん。あの人・・・。」

「あぁ、あの性格。何年たっても変わってないようだ。」

カシムが男に話しかけようと口を開きかけた時、またもや上から声がふってきた。

「あらあらぁ、なんなのこの事態は?」

若い女の声が響いた。

「私の可愛いジュダルちゃんを随分、虐めてくれてるじゃない?」

バサァと音と共に大きな影が射すことによって、ようやく真上の存在に気付いた。

ジュダルはその人物を見たときにゲッと言った。

「ゲッ!ババァ!!」

それを聞いた絨毯に乗っている人物はムキーと怒った。

「ちょっと、私はまだ17よ!!」

ジュダルはあっかんベーをしていった「老け顔婆!!」

『なんだ?夫婦漫才かなにかですか?』

「「だれが夫婦よ(だ)!!」」

『おー!見事にそろってる。』

アホらしい会話に呆れてる周り、女がビシッと男を指さした。

「あなた、ジュダルちゃんは我が煌帝国の神官殿なのよ。その存在に怪我をさせるのがどういう事か分かっているの?」

煌帝国とその名前が出た瞬間、ざわめき立つ。

その国は近年、力をつけてきた国で勢力はバルバットをゆうに超えているのだ。

女のその発言は争いを匂わせるもので、それを聞いたジュダルもニヤッと笑った時だった。

ガシッと何かに頭を鷲掴みにされた。

ジュダルは恐る恐る上を見て、鷲掴みにする人物を見て震えあがった。

『そんな私はただ神官殿が喧嘩を始めましたので、それを止めただけです。よく言うでしょう?喧嘩両成敗って・・・。なぁ、神官殿。』

ニッコリとした笑顔をジュダルに向けている、明らか脅しが入っている笑みだ。

それを真っ向から受けてるジュダルを見てカシムは同情の視線を送ったのであった。

ジュダルはその笑みを受けながら、震える体でコクコクと何度も頷いたのであった。

よくもまぁ、マギ同士の戦いを喧嘩と言い表せるものだとシンドバットは聞きながら思った。

『ほら、神官殿も言ってることですし。ここはお互い様って事で・・・。』

そう言った男に女は首を振った。

「私が貴方みたいな不審な人物の言う事を信じるとでも?」

そう言った女の言い分も確かだと思った、シンドバットは自分の事を言おうと思って一歩前へでようとした時だった。

男は口を開いた。

『あ、そうか。すっかり忘れてた。』

そう言って彼は自分がかぶっているフードを取って姿を現す。

その姿を見たシンドバット、ジャーファル、マスルールでさえも驚いた。

本当にソックリであるからである。

バルバットの人気物語の主人公である。

怪傑アリババに・・・・。

『初めまして、扛帝国のお姫様。私はバルバット王国、第三王子の・・・。』







『アリババ・サルーシャです。』

フードから現れた少年は綺麗にお辞儀をした。

王族のように誇り高く、お辞儀をした。

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