■ 第二章:制御不能・己


お前は総てを理解できるのか


ただ その植えてもいない種を見て



お前は理解した気でいるのだ


たとえその種を 植えたとしても



花が咲いたら 総てを理解できるのか





理解など できはしない








 尸魂界では、いつもと変わらない光景が広がっていた。
「…………」
 瀞霊廷内の朽木邸の、一つの部屋。その中で、ルキアは、存在自体が珍しい常時始解型の、一護の斬魄刀・斬月を見つめていた。
 一護は、この斬月は粉々にされたと思っているはずである。
 しかし、それは実は違う。つまりは、彼らは一護を騙したのである。彼の目の前で粉々にされた斬魄刀は、斬月によく似せて作られたものだった。作ったのは浦原喜助で、それを依頼しに行ったのはルキア本人だ。

『それは結構ですけど―――……お値段、今回は高くつきますよ? つい先日、こちらに日番谷隊長がお見えになられましてねぇ〜。現世の方の店をたため、なーんて言うんですよ。それも、斬魄刀の柄にこう、手をかけながら。…まぁ、理由はどうあれ、とりあえずは店をたたむつもりですがね。理由はそれからでも遅くはない。……………それに、今回朽木サンに、斬月の偽物を作ってくれ、と頼まれたので、粗方予想はつきます。………黒崎サン、でしょう?』

 一護が自分のことで精一杯になっているとき、弾き飛ばした斬月をルキアが、偽物とすりかえていたのだ。
「……………一護…………」
 ルキアは斬月の柄を握り、瞳を閉じる。
「…………すまぬ……」
 と、その時。
 何かを感じて、ルキアは瞳を開いた。
 地獄蝶が、飛んでいた。
【全隊の死神に告ぐ。双極の丘にて、中央四十六室及び山本元柳斎重国総隊長より緊急召令が出された。直ちに集合するように。繰り返す…】
「…緊急召令…!」
 斬月を壁にたてかけ、大急ぎで部屋を出て行った。


 双極の丘にルキアが来たときには、既にほとんどの死神が集まっていた。
「朽木!」
「松本副隊長!」
 すぐさまルキアは十番隊副隊長・松本乱菊に歩み寄った。
「やっぱり、死神全員呼ばれたっていうのは、本当なのね」
「はい」
「おい。阿散井はどうした?」
 乱菊の後ろから、日番谷が顔をだした。
 ルキアと乱菊は周りを見回した。恋次の姿が、どこにも見られない。
「分かりません。私は今日は一人で…」
「……だーれが一人で行っていいっつったよ…?」
 突然、ルキアの真後ろから声がした。
 乱菊も日番谷も、揃って目を瞬かせている。
 ルキアが後ろを振り向くと、そこには恋次の姿があった。どうやら、たった今来たようである。
「れん…」
 恋次はルキアの両肩をつかみ、顔を近づけて大声で怒鳴った。
「テメー、ルキア!! 答えろっつーんだ! 誰が一人で行っていいっつったよ? なぁ!? 先に行ってると知らねぇで、俺はわざわざ朽木邸に行ったのによぉ、ふざけやがって!!!」
 ルキアの鼓膜が破れんばかりに振動した。
「わっ、わっ…! す、すまぬ、恋次!! だから落ち着け! 落ち着くのだ! そもそも、一緒に行くつもりなんかなかっ…」
 恋次の瞳が、真剣みに帯びた。
「…………………心配してんだよ」
「……………」
 とたんに、ルキアの頭に沢山の、一護との思い出が蘇った。

 呆れたように笑う一護。
 くだらないことに力を入れる一護。
 血だらけになっていても、決して弱音を吐かない一護。
 突然のことに驚き、動揺している一護。
 人一倍正義感が強いことを、色々な形で証明して見せた一護。
 素直になれず、思わず無愛想になる一護。
 気持ちを表にさらけ出して、涙を流す一護。

 ―――何度も何度も、自分を助けてくれた、一護。

「…………案ずるな……」
 小さく、か細い声で言い、ルキアは固く、瞳を閉じる。
「………ルキア……。…………本当に……良かったのか?」
 コクリ。ルキアは頷いた。
「案ずるな。いずれ、『良い思い出』として、残るだろう…」
 心配そうな目を向けてくる、恋次、乱菊、日番谷。
 無理矢理、笑う。
「なんだ、その目…は…」

『俺、オフクロが死んで暫くの間……色んな感情がこみあげてきて、溺れそうになってた。けど、全部一人で抱え込んで、抱え込むことが自分の義務なんだ、って思ってた。だから、苦しんでる自分がまわりを悲しませてるってことに、気付いてなかった』

 かつて、一護が織姫に語ったこと。それをルキアは滅却師(クインシー)・石田雨竜と共に後方で聞いていた。
 当時九歳だった一護は、母の死に責任を感じ、だからこそ、懸命に笑っていた。
 きっと今、ルキアは同じ顔をしている。
「…………すまぬ、ちょっと……」
 そういい、ルキアは走って、その場を離れる。
「ルキ……」
 後を追おうとした恋次だが、乱菊に死覇装の袖をつかまれていることに気付く。
「乱菊さん……」
 乱菊は小さく首を横に振り、袖から手を離す。
 恋次は、ルキアの後を追うのをやめ、少しだけ遠く、小さくなった彼女の背を、見送った。

『一人で何もかも背負おうとすんじゃねぇ! てめぇの苦しみも、その覚悟も、仲間に受け止めさせろよ! てめぇ一人で背負い込むことで、周りの奴がどんな思いをすんのか……考えたことあんのかよ! お前みたいに人に頼れない奴のことを、俺はよーく知ってる……。だけどな! 結局、そいつが一番、弱かったんだ!』

 かつて、日番谷のよき友であり、故友である草冠宗次郎(くさかそうじろう)についての事件で、一護が日番谷に叫んだ言葉。
「………チッ」
 意味もなく、日番谷は舌打ちした。


 少し大きめの岩があるところで、ルキアは足を止めた。
 自分でもはっきり分かった。少しだけ、自分が一護に似てきていたことを。
 手を額にあて、一人、呆れたように首を振った。
「ふっ………人間ごときに……死神代行ごときに……死神代行ごときに……影響されすぎだ、莫迦者………」
 一粒だけ、涙がこぼれた。
「………そろそろ総隊長殿が来てしまわれるな…。戻らねば」
 一人つぶやいて、再び、双極の丘へ戻っていく。


   *


 夜空に星が瞬いている。
 一護はクロサキ医院の戸を開ける。
「……ただいま…」
 ピクン。
 夏梨は身体をわずかに震わせて、反応を示した。
「遅い!! 何を考えているんだ一護!!! とうの昔に七時をまわり、もう八時まわってるぞ!! 待ちつかれて、俺のダンディーな副にも皺が寄っちまって…」
 一護の父、黒崎一心がフリルのついた派手な服を見せびらかすようにして、胸を張った。その後方から、妹、黒崎遊子(くろさきゆず)が顔を出す。
「あ! おかえり、お兄ちゃん! すぐにご飯にするから、早く座って!」
「わりぃ、遊子…。いらねぇ……」
 ハイテンションな一心を無視し、遊子にそう言った。
「え? どうして?」
 遊子は首をかしげた。
「別に。いらねぇもんはいらねぇんだよ」
 せっかく家族全員で食べようと思ったのに。
 プウ、と彼女は大袈裟に頬を膨らました。
「お兄ちゃんのことを待ってたのにー…」
「いらねぇよ…」
 遊子の脇を通り抜け、階段の方へと歩いていく。
「でも、夏梨ちゃんから聞いたよ? 今日、お昼過ぎに公演で倒れてたんでしょ? お腹空いてるんじゃ…」
 引き止めようと、遊子は一護の手にそっと触れた。
 その瞬間だった。一護が遊子の手を振り払い、

「いらねぇっつってんだろッ!!!!!!!」

 クロサキ医院の隅々に、一護の怒声が響き渡ったのは。
 気遣いで言ったつもりが、一護を怒らせてしまった。
「ぁ…………あ………ご……ごめ…………ごめ、な……ごめ…なさ…い…………ご………ごめっ………」
 一護が振り向く。
 許す光が灯されていない、鬼の目―――。
「ごめんな、さい……ごめんなさい………ごめっ…な…さ………」
 遊子は、その場にへなへなと座り込んだ。まるで命を狙う敵に、命乞いをしているような遊子。しかし、それほどに、一護の瞳は恐ろしかったのだ。
 『大丈夫だよ』といつもなら言ってくれる一護は、今は何も言ってくれない。ただ黙って睨みつけている。一護は無言だった。許す言葉を、かけてくれない。
 視線を前に戻し、階段に上がり始める。
 そんな一護に一心も驚き、彼を凝視したまま硬直している。
 階段を上がりながら、一護はほんの一瞬、チラ、と遊子の様子を窺う。彼女の目には涙が立ち込めていることが分かった。
「遊子………」
 夏梨が遊子に駆け寄ると、服にしがみついてグズグズと泣き始めた。
 とたんに夏梨は険しい顔つきになり、
「一兄」
 二階へ上がろうとしている一護を呼び止めた。
 振り向かないが、それでも階段の途中で、一護は足を止めた。
「あたしら、悪いことした?」
 真っ直ぐな質問。
「………………してねぇよ」
 嘘ではない。家族は何も、悪くない。
「じゃあなんで、あたしらにあたるわけ?」
 また、真っ直ぐな質問。
「………あたってたか? 悪かったな」
「最低」
 反射的に、一護は振り向いた。
 今までにないほど鋭く、夏梨が一護を睨みつけていた。
「最低だよ。一兄」
 夏梨の声が、いつもより低い。怒っているのだ。
「………お前、そこまで怒る必要はねぇだろ…」
 ニコリともせず、一護が言った。
 すると、夏梨の眼光は鋭さを増した。
「何があったかなんて知ったことじゃないけどさぁ! 一兄は、もっといい兄貴だったよッ!!」
「……!」
「………………ふざけんな……」
 夏梨は一護を一瞥すると、遊子を連れてリビングへと戻っていった。
 一護はすごいスピードで階段を駆け上がり、自分の部屋に飛び込むと、ドアを閉めた。

 ガンッ!!!
 一護は容赦なく、自室の壁に左の拳をぶちこんだ。どれだけ、強く殴りつけたのだろう。指と指のわずかな隙間から、ヌル、という感触が伝わった。
(……しっかりしろよ…混乱すんな………俺は何故、自分の部屋に行きたかった…?)
 気分の上で、夕食を食べたくなかったということもあるが、何より、自室に戻ってやらなければと思っていたことが、あったはずだ。


『ぁ…………あ………ご……ごめ…………ごめ、な……ごめ…なさ…い…………ご………ごめっ………ごめんな、さい……ごめんなさい………ごめっ…な…さ………』


(くそっ!! 集中しろ!!)
 遊子の声が頭に残っていて、集中できない。困惑する気持ちを無理矢理押さえ込み、考えを巡らせる。
 自分の部屋を見回して、一つのものに目を留めた。
 一護のベッドの上で寝そべっている、ライオンのぬいぐるみ。
(そうだ…! 義魂丸!!)
 自分は死神化するために手段を探し、最後に残ったのは義魂丸による死神化。
 すぐさまライオンのぬいぐるみに近づき、言う。
「おい、コン! 起きろよ! 起き……」
 ぬいぐるみを持ち上げて、気付く。
 ライオンのぬいぐるみは、なんてことはない。普通の、ぬいぐるみだった。
 慌ててぬいぐるみの口の中に手を突っ込んでみるが、なにかがありそうではない。ぬいぐるみに入っているはずの、義魂丸がない。
 改造魂魄(モッド・ソウル)のコンが、ここには今、存在していなかった。
「どうなってんだ…………」
 これでは、一護が死神化する手立てがない。
 まるで仕組まれたかのように、死神化するために必要なものが、片っ端からなくなってしまっていた。
「くそっ!!」
 ガンッ!!!
 また、左の拳を壁に叩きつける。
「うっ!!」
 左手に激痛がはしり、一護は顔を顰めた。
 見てみると、思っていたより派手に血が出ていた。
「いってー…」
 自業自得なのに、重くため息を吐いた。
 懐から、一枚のたたまれた紙を取り出し、広げる。
『すまぬ』
 ウサギ風の妙な絵と、三つの文字。
 今、たしかに一護は死神代行だった証となるのは―――尸魂界と現世をつないでくれるのは、このルキアからの短い手紙だけだった。
「………?」
 少し落ち着き始めた一護は、あることに気付いた。
 ルキアからの手紙は、妙にクチャクチャしていて、皺が異常に多かった。まるで、何かによって濡れてしまった紙を干した後のように。
「………泣いてんのか? ルキア……」
 その場にいもしない死神に、尋ねる。

『ぁ…………あ………ご……ごめ…………ごめ、な……ごめ…なさ…い…………ご………ごめっ………』
 涙で瞳を潤ませながら謝る、遊子。
『最低だよ。一兄』
 本気で怒って、一護を睨みつける、夏梨。

 一護は左手を見つめた。
 先ほどより、血が沢山出ている。
 一護は悲しそうに目を伏せた。
「俺の…………馬鹿野郎……」




 翌朝。
 一護は左手の包帯を取り始める。昨夜、自分で巻いたのだ。とってみると、紫色になって酷く腫れ上がっていた。仕方なく机の引き出しから、病院の棚からとっておいた新しい包帯を取り出し、きつすぎる程度に巻きつけた。
 制服に着替え、時間割を確かめると、鞄を持って一階へ下りて行った。
 リビングには、既に夏梨と朝食の準備をする遊子の姿があった。
 先ほど一心の寝室から大きな鼾が聞こえたので、彼はまだ寝ているのだろう。
「………!」
「………一兄……」
 一護が来ると、遊子は真っ青な顔になって、肩を震わせ始める。
 夏梨は、ジッと一護を見据えていた。
 妹二人とこのような固い空気を作ったのは、生まれて初めてのことだった。そして、こうなってしまったのは全て、八つ当たりをした一護自身に原因がある。
 そんな二人を見つめ、
「………夏梨。遊子。…………ごめん」
 一護は深深と頭を下げた。
 あまりにもあっけなく、その言葉が出てきたので、二人はキョトンとする。
「俺が昨日あんなだったのは……言い訳するわけじゃねぇけど、ちょっと今、まずいんだ。……ごめんな」
 それでも、やはりこの日ばかりは空気が重く、三人は会話をしなかった(起きて来すらしなかった一心は問題外)。
 朝食をとると、一護はいつもより三十分早く家を出て、学校へ向かった。


「イッチ――――――ゴ――――♪」
「おす」
「イチゴちゃ〜ん♪」
「…おーす…」
「イ・チ・ゴ! オレ、ラブ、イ・チ・」
「うるせぇ!」
 バキャッ!!
「ぶぅおふ!!!」
 朝から一護に抱きつこうと走ってきたのは、クラスメイトの浅野啓吾である。
「つめたいなぁ〜一護ぉ〜……」
「お前がうるさすぎんだよ」
「おはよー一護」
「よう」
 教室からひょっこり出てきたのは、クラスメイトの小島水色。
「あれ? その手、どうしたのさ?」
「あぁ、これか? これは…」
「そうか!! お前、また喧嘩してきたから朝からこんな冷たいんだな!」
「なんでそうなるんだよ」
「くぅッ、苦労したんだな、一護ぉ〜…」
「なぁ、水色。コイツ、まじで殴っていいか?」
「既に足蹴にしたばっかじゃない」
 笑顔で言う水色に、
「なんで足蹴にしたこと知ってんだ? お前…」
「見れば分かるよ。いつものことだし」
「へぇ、すげぇな…」
「水色〜、一護〜、オレをおいて話を進めないでくれー…」
 いつもと同じ、光景だった。


 昼休み。
「黒崎」
「ん…? 石田? なんだよ」
 その石田の後ろから、チャドと織姫も歩いてくる。
「黒崎君、ご飯、一緒にどうかな? って…」
「あ、ああ…いいけど…たつきはどーすんだ?」
「たつきちゃんにはもう…言ったから…」
 教室の黒板近辺の机に目をやると、そこでは有沢竜貴と本匠千鶴がなにかともめながら、一緒に弁当を食べている様子が見られた。一護は納得したように頷くと、弁当を持って三人を引き連れ、屋上へと向かった。また啓吾が何かと騒いでいたが、水色がいるから多分大丈夫だろう。
 
 昼食をとり始めた四人の中で、石田は思わず顔を引き攣らせる。
「……い、井上さん…」
「なぁに? 石田君」
「それ…全部食べるの?」
「もっちろん♪」
 パン一斤に豪快にかぶりつく織姫は、微笑ましいのか、それとももう少し食べる量を考えろと叱りつけるべきなのか、非常に困るところである。
「チャド、卵焼き食うか?」
 一護に甘い卵焼きを勧められ、
「ム…………」
 チャドは割と素直に貰って、卵焼きを食べた。
 しばらくそうして、普通に昼食タイムだったのだが、ふと、一護が口を開いた。
「………で?」
「え」
「んー?」
「ム…」
 弁当を食べる手を止め、弁当箱を置いた。
「わざわざこのメンツで食おうってんなら、どうせ死神とか、そういう話があってのことなんだろ? なんだよ?」
 石田も弁当箱を置き、右手で眼鏡を押し上げる。
「…………黒崎。お前、霊力はどうした?」
「…………え?」
「それがね、黒崎君……。私も、ちょっと集中して感じ取ろうとしたんだけど………今日…黒崎君から、その、霊圧も…まったく…」
 一護はしばらく黙り込み、考えた。
 霊力が、なくなった―――?
 ふと、あのとき、恋次に深紅の札を額に貼られたことを思い出した。
 そういえば、あれで意識を失ってから、虚も盾舜六花も見えず、その声も聞こえないことに気付いた。恐らく、尸魂界でのことが関係しているのだろう。
「……長話になるけど、いーか?」
「昼休み終了まで、あと………十五分か。それで話せるか?」
 石田の問いかけに、一護は首を横に振った。たったの十五分で話せるわけがない。そこで救いだったのは、五時限目が越智美諭による現代国語の授業であったことだ。越智の場合、ちょっとやそっとじゃそうは怒らない。一護は腹痛、織姫は頭痛、石田は咳、チャドは気分が悪いというなんとも下手な嘘をついて、四人は早退した。
 そして、学校近辺の公園ではなく、少し離れた公園まできて、ようやく一護は全てを語った。
 尸魂界に呼び出され、双極の丘で、殺意はないのに沢山の死神に襲われて、斬魄刀・斬月を粉々にされたこと。
 ルキアからの手紙のこと。
 突然霊といったものが何一つとして見えなくなり、聞こえなくなったこと。
 再び尸魂界に行こうにも、浦原商店が閉店してしまったこと。
 死神化するためのものは、何一つとして現世に残っていないこと。
 一護がずっと話す間、三人は間で質問をすることなく、ただ黙って頷きながら、話を聞いてくれた。

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