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ふと視線を感じて顔を上げた。
すると少し離れたところからこちらを見てくる少年がいた。
銀髪の十歳、あるいはそれを過ぎたくらいの年の少年だ。
この場にいるのが不自然なほど周りの人間と比べて年齢が極めて低く、目に着く。
綱吉自身も少年ほどではないがこの場では若い部類だから気になるのだろうか。
綱吉が携帯をしまったからか銀髪の少年が近づいてくる。
両手をポケットに入れつつも警戒は怠っていないのを感じる。
「なあ、あんたもハンター試験に受けるんだよな」
少年の面白いおもちゃを見つけた猫のような目に綱吉は笑みを浮かべた。
「そうだよ」
少年からは濃い闇の気配がした。
もちろんヒソカなんかとはタイプが違うが、きっと多くの人を殺していると超直感が告げる。
この世界には、悲しいことに簡単に人を殺してしまう人達が多すぎる。
けれど、少年のその笑みから、彼はまだきっと引き返せるんじゃないかと思えた。
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